救われたいわけではない
ここにいる。 ずっと。 今まで映画で使ってきた感情。 たくさんの映画で扱ってきた感情ではないもの。 もっと人間の奥の感情を提示して見せたと思う。 リーと元妻との会話。カットと声をかけた監督は泣いていたという。
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マット・デイモンがプロデューサーを務め、『ギャング・オブ・ニューヨーク』のケネス・ロナーガンが監督・脚本を務め『ザ・ブリザード』のケイシー・アフレックを迎えて描く人間ドラマ。ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく……。
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ここにいる。 ずっと。 今まで映画で使ってきた感情。 たくさんの映画で扱ってきた感情ではないもの。 もっと人間の奥の感情を提示して見せたと思う。 リーと元妻との会話。カットと声をかけた監督は泣いていたという。
ケイシーアフレックのファンが激増したであろう一作。 ・火の元には気をつけよう ・ケイシーは納得のオスカー俳優 ・パトリック役も助演男優賞ノミネート 大好物俳優ベン・アフレックの弟ということで、なおさら愛着が湧く。 製作陣に名を連ねているマット・デイモンが主演だとまた違った作品になっただろう。 しかしあの繊細で気の短いリーを演じられるのはケイシーなんだろうなあと思う。
淡々としていて暗めの作品だけど、所々笑えるとこもあって良かった。 現実では いくら時間が経っても辛くて向き合えないこともある。どうしようもなく逃げることしかできないときもある。そういう意味で、とてもリアルな映画だった。 リーが着ているTシャツ(バーで殴り合いした後に家のソファで寝てるシーン)にDUGOUTって書いてあるんだけど日本語で 防空壕って意味。 マンチェスター・バイ・ザ・シーはリーにとって辛すぎる場所であり、居たくないところ。安全なところにいたい っていうのが、あのTシャツからも読み取ったんだけど考えすぎかな... リーにとっての"防空壕"が、あのボストンで住み込みで便利屋をしているアパートの地下の部屋な訳で。dugoutって、防空壕の他にも"野球場での選手の控え席。地面より一段低くつくられている"って意味もあって、まさにリーの部屋は地下であり地面より低いから、個人的にはそこも納得しちゃって。
いつかきっと乗り越えてほしい 忘れることは出来ないのは当たり前でも 甥っ子との関係は生きることを諦めないキッカケになりそうで希望を残しているところがいい。
男心の深さが分かるよ。
2017.05.31@新宿武蔵野館
悲劇的過去を持つ男の物語だけど、大袈裟な展開はなく淡々としていていつまでも見ていられる不思議な映画。 見ているうちにケイシー・アフレックの淡々とした表情と自然な演技に引き込まれてしまう。 ライアン・ゴズリングと似た空気感がある。 この作品にも出ているミシェル・ウィリアムズとゴズリングが共演したブルー・バレンタインに作風が似てる気がした。
悲劇は悲劇として起こるけどそれが劇的に救われる訳でもなく結構ずっと辛く、遂にはギブアップする所がとても現実味溢れてて好き。 過去の映像への切り替わり方が絶妙で、リーへの感情移入を増長させた。
楽しそうな海でのシーンと実際の地味で質素なトイレ掃除のシーンを交互に持ってきて、あ、これが家族で離婚でもしたのかな?と思いきやもっと子沢山で子煩悩で、、映画を観進めるうちに主人公の人と性格がわかる。知った気持ちになる。なのに、一気に現実に引き戻される。ふわふわ浮いたものが高くなりすぎないようにいきなり引っ張られる不思議な感覚。そしてあまりにつらい現実を乗り越えるんだ!という映画的方向ではなく、現在の自分を見つめて現実的な選択をしていく。登場人物に悪い人がいないからこそ、この物語は深く重みがある。 私が彼なら同じ選択をするし、人生を諦めない為に導いた兄の気持ちもよくわかる。一言でおさめると「しょうがない」で全てが終わってしまうだろうけど、そこを真摯に受け止めた上で足掻こうとする人間のぶつかりに鳥肌がたった。
サイコーに心痺れる映画でした。 風景も人も😆 すべてまとめてちゃんちゃん❗️っていうお話が多い中 まさに丁寧にリアル拍手👏
一見淡々と描かれている様ですが、やるせない、悲しく切ない心情がセリフからではなく、画面から伝わってきました。
心の形を変える程の悲劇を経験した人はどうなるのか。外からじゃ分からない本人だけの悲しみを抱える人はたくさんいる。 誰かを亡くした事がある人には痛いほど共感するシーンやセリフだらけです。 静かな海沿いの町のように凪んだ心。終始無表情なケイシーの演技がそれを真っ直ぐに伝えてきてくれます。後半のミシェル・ウィリアムズとのシーンで糸が切れ、涙腺崩壊しました。触れたくない傷が痛んで苦しくて辛くて仕方なくなりますが、エンドロールの波の音がそれを落ち着けてくれます。とても繊細で悲しいですが、同じくらい家族や友人の愛情に守られている主人公。腫れ物を触るような愛情が、温かい映画でした。途中、流れが止まり間延びするのでそこで飽きてしまう人はいるかも、ということで3.5です。
「乗り越えられない」 でも絶望が広がるわけでなく、 少しずつ光が差し始めている。 そう言った主人公の心情に、 見ているこちら側も 自然に寄り添える、そんな作品。
そう簡単に許してはくれない。そこがいい
ヒリヒリする人間ドラマ。 良作であることに間違いはない。
償うことのできない罪を背負った男が、終わることのない日常を過ごしてゆく何とも物悲しい映画だった。 誰も罪に問わないから誰も許すことはない、主人公だけがひたすらに自分の人生を贖罪に費やす救われない物語ではあるけども、ラストでほんの僅かに光が差す。そんな印象。 ケイシー・アフレックの死んだ目と掠れた声から滲み出る詰まった空気感は演技とは思えないほどの重みがあった。これはオスカーを獲りますわ。劇中、兄と比べられるシーンがあるが、その辺りはケイシーの実兄ベンとの関係性とダブって見えた。 この映画は充分に良い映画ではあるんだけども、淡々としていて、いわゆるヒューマン映画的なドラマチックな展開が起こらない。正直、そんな物語に137分も必要だったんだろうかと思ってしまった。もちろん、時間を掛けて主人公の生き方や周囲の人間模様を描くことで写し出される機微が重要であることは分かる。でも、なんだかなあ。 あと、過去と現在のクロスカッティングも段々と単調なものになってしまった気がする。
オープニングの街並み。 これはもうホントにキレイで。スクリーンで是非見てくださいということしか言えないです。 そしてストーリーとしては主人公の【ケイシー・アフレック】が生気無い人生を送っている現在のシーンの間に活き活きとして暮らしている過去の映像が流れます。 それが流れるたびに「なぜ彼はこんな生活をしているんだろ?」と気になってどんどん見入ってしまいます。 よくあるお兄さんの息子さんは心を閉ざしてしまっていて徐々に2人の距離が近くなるなんて単純なストーリーではありません。 むしろこの甥っ子は主人公には心を開いていて、主人公の方が人と関わるのを拒否しているといった構図です。 ただ、この映画は2人の関係がハッピーエンドでは無いという解釈でいいかと思います。 僕は率直な感想としては『人の人生は1つのキッカケで、また1からという単純なスイッチは存在しない。』ということでしょうか…。
ケイシーアフレック文句無しのオスカー受賞でアッパレ。
主人公が心に抱えるモノを、敢えてゆっくりと自然体で描く、いい意味で抑揚のない映画。 バンバン気持ちを揺さぶられる映画ではないけど、なんだかジワっと心に残るものがあると言うか。 主人公リーが心に抱えるモノを、直接的に描かず、時間軸も操作しながらゆっくりと描写していくのが、この映画の際立つオリジナリティ。 リーが最終的に出した結論も、変に“映画的”に抑揚を出さず自然体だったのも、気持ちがいい。 全体がアドリブで撮ってるんじゃないかと思うほど自然体なシーンが続くし、リーとパトリックのやり取りがなんだか親近感がわくと言うか、仲良し2人組の会話を聞いているようで心地いい。 シーンの繋ぎ方がとても独特で、僕含め、始めこの映画のペースに慣れるのに時間がかかる人も多いのでは。
「乗り越えられない」ことを、「乗り越えられない」と受け入れて、それでも目を反らすのではない。背中に罪を背負ったまま、前を向いて生きていくこと。 そんな当たり前のことの大事さに気づかされ、そして静かに涙を流してしまう。私の心にいつまでも残る作品になりました。
決して一筋縄ではいかない秀作。 ケイシー・アフレックのアカデミー主演、 ケネス・ロナーガンの脚本賞のそれぞれの受賞も 納得、と言った感じでしょうか。 観る前は失礼ながら、 「どうせ人生ダメダメ男が面白可笑しく 現代アメリカを風刺とかしちゃってて それがウケただけなんでしょ?」 ぐらいなつもりの意識でしたが、 観終わった後、ほんまに関係各所の 方々の皆様方に土下座して謝りたいぐらい 恥じ入ってます。すみませんでした。 一人の男の生き様を通して、 家族、親子、兄弟、そして人生が じっくりと描かれていきます。 何事にも期待される以上の仕事や 愛想のいいところを見せない主人公の"リー"。 ところがあるひとつの報せが彼の元に届いてから 彼の人生は宿命とも言うべき 過去に通った"あの道"へと引き戻されていく。 若干現在と過去の情景が フラッシュバック的に幾度も劇中に挿入され 「ん?」となる箇所もあったりしますが、 一旦"こういう映画なんだな"と認識できると それ以降は免疫がついたかのように 自然に観れていきます。 (かくいう年配の小生でも大丈夫なんだから、 きっと他にご覧になる方も大丈夫とは思います) 決して人ごとではない 誰にでも起こりうるであろう出来事と 決して償えることのできない過去への苦悩。 それでも、やっぱり力強く生きていこうとする 主人公と、それを支えるのも最後は家族という 悲しくも頼もしくもあるアイロニィ。 飾り気の一切ないけど寒々しい情景と 圧倒的な俳優陣の演技とで 観ているこちらに押し寄せてきます。 ドラマチックな起伏はそこまでないものの 観てる観客を迷子にさせちゃうようなこともなく 非常に丁寧でしっとりと魅入らせてくれます。 で、どうしてこんなに胸にきてしまうのか。 ちなみに、途中でふと気付いたのが 人の顔にクロースアップする場面がない事。 つまり、主人公の思いに直接入り込んで 共感を強要させようとするのではなく、 あくまで第三者として主人公の境遇を 俯瞰で眺めさせ、見つめさせることで、 誰にでも起こり得るというリアルな感じが いやが上にも高められていると感じた次第。 で、観た人向けの細かい話。 何より圧巻というか息を詰めて 観入ってしまったのが主人公がある事件の折に ある場所で独白するシーン。 そのシーンになると、それまで特に鳴らなかった BGMがかなりの音量と存在感で持って 画面を包み込んでいきます。 明らかにそれはレクイエムに類する ジャンルの曲で、 逃れられようのない彼の罪の行方を 葬送するかのごとく、陰に陽に奏でられる… もうここ、 とにかく胸が痛いったらありゃしない。 で、最後付近のある3つのシーンがあるのだけど、 これらすべてで小生は溢れ出る涙を 止める術を知りませんでした。 曰く、こんなにも切なく、悲しくて、それでいて 深く相手を思いやる「I Love You」がこれまで あったろうかと思えるほどの俺的名シーンです。 ああ、 このシーンについて誰かと無性に語り合いたい! (RGじゃないけど) ケイシー・アフレックにケネス・ロナーガン またもや目が離せず、忘れ得ない俳優と監督に 巡り会えた心地のする珠玉の2時間でした。 ケイシーはもしかしたら 兄ちゃんのベンより好きになっちゃったかも。 [10:00]立川シネマシティ2・スクリーンe😬 P.S. ちなみに題名の「〜バイ・ザ・シー」まで、ちゃんと全部が街の名前なんですね。当のニューハンプシャー州にあるマンチェスターと区別するために後から付けたんですって。日本の地名で例えるなら、「山のそばの横浜」ってわざわざまるまるついてる感じですかね。この合理主義っぷり、やっぱアメリカって面白いなぁ。 P.S. 2 小生のような年配ファンだと、劇中のあるシーンで倉本聰脚本の「北の国から」をまざまざと彷彿とさせる所があって身震いしました。 まだ観てなくて、小生と同じく北の国からファンの方、果たしてどのシーンが酷似しているのか、劇場でご確認いただくのはいかが?、って感じです。 (ま、こんな風に書いたらファンにはきっとバレバレでしょうけどもね。)
リーの虚無感は何故だろう。 現在と過去を交差しながら解ってくる。 淡々と過ぎる日常を丁寧に描いている。 思っていた結末と違っていたが、そこが良かったかも。
過去と現在をクロスさせつつ、淡々と丁寧に描かれていて、飽きることなく叔父と甥の経過をなぞる。過去は変えられない。それを背負いながら生きて行くこと、そしてドラマティックに簡単には乗り越えられないこと、単純な私が予想したラストとは違ったけど、だからこそリアリティがあるなと思いました。
場面により時間軸が変わるのだが、理解するまで考えなければならない。もう少し解りやすく構成して欲しかった。
過去の自分と向き合う主人公リーと甥のパトリックの心の葛藤を描いたヒューマンドラマ。 心に負った傷は、それを乗り越えなくても生きていける。そういう人生の選択もある。 ラストでほんの少しだけ救済されたリーの姿が深い余韻を残す。 曇った空と海、湿った空気に満ちた田舎の港町の風景が二人の感情を表現しているようで印象に残った。