<こだわりのミニシアター特集7> 早稲田松竹

新宿区・学生街の高田馬場にある「早稲田松竹」。昭和26年(1951年)に松竹系のロードショー館として開業し、一時休館するも再オープン。早稲田・高田馬場にある唯一の名画座として今なお、愛され続けている。

約十年前にフィルム現像に関わる仕事を辞め、学生時代に足繁く通った名画座の中でお気に入りだった「早稲田松竹」の求人を見つけて応募したのがきっかけだったという副支配人の平野さんに、お話を伺った。

第7回 “あなたの街の素敵な名画座”〈早稲田松竹〉

JR山手線・西武新宿線 高田馬場駅早稲田口を下りて、徒歩5分。早稲田通りを直進すると、一際目立つ大きな「早稲田松竹」の看板文字。柔らかいクリーム色で包まれた外装と開放的で広々としたエントランス。上映する作品に関連したものが展示される完成度の高いギャラリーも。

早稲田松竹_外観★「早稲田松竹」の外観。お客様を優しく出迎えてくれる温かな佇まい。

──平成14年(2002年)にスタッフ不足のため、一時休館をすることに。その際に早稲田大学の学生さんを中心に「早稲田松竹復活プロジェクト」が発足され、署名活動などの後押しを下さったおかげで、その年の12月に再オープンを迎えることが出来ました。

世界中の映画を楽しんでもらえる文化の発信地

──「世界中の映画を新旧・洋邦問わず上映しています。主張やメッセージはあまりこだわらず、観たあとに「何らかの共通点」を感じてもらえる二本立て作りがモットー。また「お客様の層が偏らない作品」も意識しているので、幅広い方々に楽しんでもらえる文化の場になるよう取り組んでいます。

早稲田松竹_チラシ★毎月発刊の「ラインアップちらし」(表紙デザインはスタッフの手作り)
これまでのバックナンバーも揃うステキな「チラシギャラリー」も!

世界中の作品群から腕利きの番組編成2名が厳選した二本立てを上映している。また映画通から高い人気を誇る恒例イベント2本。

「早稲田松竹クラシックス」は、サイレントやモノクロを含めた“クラシック映画”を大きなスクリーンで味わえる名物シリーズともう一つ、昨年から始まった「ミッドナイト・イン・早稲田松竹」は、これまでリクエストの多かった“オールナイト上映”を行う新企画!

ショア© Les Films Aleph
★過去5回すべて満席の大好評「ミッドナイト・イン・早稲田松竹」
次回は『SHOAH ショア』全篇567分、一挙上映!

映画をじっくり堪能できる心遣い

──2006年の改装で、座席数を196席から153席に減らし座席間のスペースを広げました。(座席数=売上げを左右する)とても勇気のいる決断でしたが、ゆったりとした空間で映画をじっくりと嗜める環境を提供できるようになりました。

写真_5★座席との間がとっても広々!
早稲田松竹_シアター★ゆったりとしたソファ席もGOOD!

早稲田松竹ならではの「二本立て・入替制なし」は、映画のチケット=入場券と理解すればOK!その日であれば、何時・何回でも自由に鑑賞することができるサービス。

早稲田松竹_外出証★早稲田松竹おなじみの「外出証」
学生には「朝に1本観てから講義を受けて、帰りの夕方にもう1本観る」が人気!

映画館から外に出る場合は「外出証」をロビーで配布している。午前中に1本観て、お昼はゆっくりランチをして、夕方に戻ってもう1本観る、なんてことも。

早稲田松竹_名物オブジェ
早稲田松竹_名物オブジェ1

★名物「オギノさんのリサイクルオブジェ」。トイレの鏡前にあるステキな作品は週替わり!

映写機★今では珍しいフィルム映写機が2台も!

番組編成や劇場広報、受付から映写機までの興行面全てを行うのはアルバイトのスタッフ。映画好きだけでは勤まらない仕事なので「良い作品を、良い環境で」を合言葉にして心掛けているのだそう。

早稲田松竹_スタッフ★「早稲田松竹」のスタッフさんたち。快く笑顔で振る舞ってくれた素敵な映画人!

「早稲田松竹」は、足を運んでもらえるお客様はもちろん、映画に精通するプロ集団ばかりのスタッフたちにも支えられている名画座。

映画館で観る映画は“勝負”そのもの

──おうちで映画を観るのも快適で良いと思いますが、映画館で観る映画はより集中して作品を楽しめます。それに、レンタル料金を払って借りるのと、わざわざ足を運んで高いチケット代を払うんじゃ“勝負感”がまるで違います。面白いのか退屈なのかは自らの目利きによって決まるんです。そういった実感のあるリアルな映画体験から心に残る作品に出会えるんじゃないかと思いますよ。

END.

早稲田松竹からのおすすめ

■【ミッドナイト・イン・早稲田松竹 vol.6】

<12月12日(土)オールナイト上映>
ショア© Les Films Aleph
①『SHOAH ショア』
開場20:40〜/開映21:00〜(〜07:15終映予定)

ホロコーストの全貌を関係者の証言のみで構成した“映像記録遺産”。
全4部 567分 一挙上映!オールナイト企画ならではの“イッキ見”をぜひ。
☆劇場窓口にて、前売り券を販売中!

■【早稲田松竹クラシックス vol.107 溝口健二監督特集】

<12月26日(土)~12月28日(月)>
祇園の姉妹©1936 松竹株式会社
①『祇園の姉妹』
12:20 / 15:30 / 18:40

 

雨月物語©KADOKAWA 1953
②『雨月物語』
10:30 / 13:40 / 16:50 / 20:00(~終映21:40)

 

<12月29日(土)~2016年1月1日(月)>元禄忠臣前編©1941 松竹株式会社
①『元禄忠臣蔵 前篇』
10:00 / 14:10 / 18:20 [12/31(木)のみ] 10:00 / 14:10]

 

元禄忠臣蔵©1942 松竹株式会社
②『元禄忠臣蔵 後篇』
12:05 / 16:15 / 20:25(~終映22:20) [12/31(木)のみ]12:05 / 16:15(~終映18:10)

ゴダールやトリュフォーをはじめ、世界中の映画作家たちに影響を与えた、
溝口健二監督作品の魅力にふれる4作品。年末年始は溝口健二で。
☆すべて35mmフィルムでの上映!

 

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■早稲田松竹映画劇場
〒169-0075 新宿区高田馬場1-5-16
TEL:(03)-3200-8968
HP:http://www.wasedashochiku.co.jp/

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