『聲の形』松岡茉優、 入野自由&aikoからのメッセージに笑顔「明日を生きるのがすごく楽しみ」

京都アニメーション最新作『聲の形』完成披露上映会が24日、都内・丸の内ピカデリーにて行われた。この日、ヒロイン・西宮硝子役の早見沙織をはじめ、松岡茉優、山田尚子監督が出席。主人公・石田将也の高校時代を演じる入野自由からビデオレターが、主題歌「恋をしたのは」を歌うaikoから手紙が届いた。

聲の形

本作は、小学生の頃はガキ大将で“退屈すること”を何よりも嫌う少年・石田将也が、聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子との出会いから5年後、それぞれの高校生時代を描く。過去に硝子とのある出来事がきっかけで、周囲から孤立してしまった将也だったが、高校生になり再び硝子と向き合っていく。監督を『たまこラブストーリー』の山田尚子が務め、脚本は「ガールズ&パンツァー」の吉田玲子が手掛ける。石田将也の小学生時代を松岡茉優が演じる。

聲の形

ヒロイン・西宮硝子を演じる早見は「耳が聞こえない女の子を演じさせていただきました。アフレコに臨む際に“なおべえ”(山田尚子監督)とお話しさせていただき、いろいろなキャッチーな要素があるんですが、根底にある『人と人の心のぶつかり合い』『伝えたいけど、伝えられないもどかしさ』から、最終的には心に希望が残るような作品にしていこうと作っていきました。硝子はもがいてもがいて、伝えられないけど伝えようと一生懸命1日を生きている。そういう女の子なんです」と想いを明かした。

聲の形

小学生時代の将也を演じる“まっつん”こと松岡は「小学生時代の将也を初めて観た時、いじめっ子で『なんでそんなことするんだよ!』と思っていたんですが、ずーっと彼と向き合っていると、無垢で純粋ですごく愛すべき存在だと気づいて」と語り、「最初の頃、出てくるキャラクター全員苦手だったんですが、完成した映画観終わったあと全員大好きになりました!それって普段の人間関係と似てるのかなとも思いましたね」と笑顔を見せた。

聲の形

山田監督は「原作を初めて読ませていただいた時から、人の心のコアの部分『上手くいかないけど人と繋がりたい』という尊さを感じていたので、人と人が対等に向き合うことを大事に描きました」と述懐。また、本作の見どころを聞かれた早見は「いろいろ心に刺さるシーンがあるんですが、幼少期の2人がつかみ合ってぶつかり合う、お互いの心を伝え合うシーンがあって。全然言葉になってないんですが、これがきっと『聲の形』の核になっている気がします」と振り返った。松岡も「私もそのシーンすっごい大好きで、2人とも何言ってるかわからないんですよね。でもそのシーンに『わーっ』てなっちゃって、次のシーン撮る時声が出てこなくなっちゃったくらい(笑)」と共感していた。

イベントでは、早見を“はやみん”と愛称でそれぞれを呼び合い、和気藹々としたトークが繰り広げられる中、将也の高校生時代を演じる入野からビデオレターが届いた。入野は「この作品の一番肝となる描きたい部分は『伝えたいけど、伝わらない』『繋がりたいのに、繋がらない』というリスコミュニケーションの部分が一番のテーマです。全7巻あるものを、ギュッと凝縮していますが、今回の映画『聲の形』で表現したいものが詰まっています。ぜひ楽しんでください」とメッセージを寄せた。

聲の形

最後に松岡は「この映画を観て、自分のことも許せたし、周りのことも許せた。明日を生きるのがすごく楽しみになりました。すごく優しくて、温かくて、愛が詰まった映画です」とアピール。早見は「ふんわりした優しい絵柄と優しい音楽。だけど、内容はやわらかいようで非常に鋭利な作品だと思います。観ていて胸に刺さる部分がたくさんあると思いますし、封印してきた思い出箱がこじ開けられると思います。観るときは、それを閉じることはせずに、劇場のスクリーンと解放した自分をぶつけ合って、それぞれの『聲の形』を楽しんでいただけたら」と語り、山田監督は「原作が本当に素晴らしい作品で力強くて。映画『聲の形』としては、愛の大きさ、人の優しさ、『明日もう一歩進んでいきたい』と、ちょっとした希望の日差しを灯していけたら」と真摯に語り、イベントを締めくくった。


aiko手紙全文

聲の形

本日は映画『聲の形』完成披露上映会にお伺い出来なくて本当にごめんなさい。aikoです。私は「聲の形」が大好きです。漫画を読んで感動して、そのままライブで1冊分のあらすじを話してしまうほどこの漫画が大好きすぎたんです。そんな大切な「聲の形」の映画の主題歌のお話をいただけるなんて正直意味がわからないというか、嘘なんじゃないかと最初は思ってしまいました。スタッフの方に「本当に決まったよ」と改めて聴いた時はとてもとても嬉しかったです。

「恋をしたのは」は愛する人を想う心の底にある誰にも言えない位揺るぎない強い想いを書きました。心の中は計れないし、痛みや喜び全てを同じ気持ちで感じることは出来ないからこそ、想う強さを書きたかったんです。硝子と将也、そして周りの仲間は私の憧れです。少しでもいいから「恋をしたのは」が「聲の形」の映画の道端で咲いていられる花になれたいいなと願っています。

主題歌を歌わせていただき、本当にありがとうございました。
aiko


映画『聲の形』は9月17日より新宿ピカデリー他全国公開

【CREDIT】
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)

監督:山田尚子 脚本:吉田玲子 キャラクターデザイン:西屋太志
アニメーション制作:京都アニメーション
配給:松竹 公式サイト:http://koenokatachi-movie.com

©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

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