オスカー作品賞『ムーンライト』、20年前の愛の名作『ブエノスアイレス』にオマージュを捧げていた

第89回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞した大ヒット公開中の映画『ムーンライト』が、20年前の愛の名作『ブエノスアイレス』にオマージュを捧げていたことが明らかとなった。

ムーンライト
(C)2016 A24 Distribution, LLC

タイム誌、NYタイムズ誌など全米メディアから「2016 年ベスト 1 ムービー」に選出され、世界中から熱狂的な賛辞が贈られている本作。 LGBTQ のラブストーリーが作品賞を受賞したのはアカデミー賞史上初、さらに黒人だけのキャスト・監督・脚本家による作品が作品賞に輝いたのも史上初という2つの史上初を達成し「革命」と評されながら、映画史に残る純粋な愛の物語である本作は、ウォン・カーウァイ監督『ブエノスアイレス』など過去の名作映画へのオマージュが発見できることも大きな醍醐味のひとつ。

ムーンライト

ムーンライト』で、30 代になったシャロンがケヴィンに再会するために車で旅立つ時に流れる音楽は、カエターノ・ヴェローゾ が歌う「ククルクク・パロマ」。97年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『ブエノスアイレス』のオープニングで印象的に使用された曲だ。歌の内容は、亡くなった恋人を想い嘆き悲しみ、死んで一羽の鳩に生まれ変わってなお恋人の帰りを待つ男の寓話を歌ったもの。

ムーンライト

バリー・ジェンキンス監督は、インタビューで「この選曲はあえて意図したものだ。同じ曲が『ブエノスアイレス』でかかっていて、これは直接的なオマージュなんだ。ブラックの車がハイウェイを走るシーンの撮影の仕方まで、『ブエノスアイレス』と同じにしているんだ。『ブエノスアイレス』を初めて観た時のことは鮮明に覚えている。僕にとって、初めて観る同性愛を描いた映画だった。『ブエノスアイレス』は僕にたくさんのことを与えてくれた」と語っている。

このシーン以外にも、シャロンとケヴィンが対面するシーン、シャロンの夢に現れるケヴィンのシーンなど、『ブエノスアイレス』と同じ構図で撮られているという指摘も多くあり、『ムーンライト』が20年前の愛の名作に強いリスペクトをしていることが発見できる。

なお、大ヒット上映中の本作は、映画館の半券二枚一口で応募すると、先着で日本限定のオリジナルポストカード8枚セットが当たるリピーターキャンペーンを実施中。詳しくはこちら(http://moonlight-movie.jp/campaign/index.html)まで。

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映画『ムーンライト』3月31日(金)全国公開

【CREDIT】
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホーランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
配給:ファントム・フィルム

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