表現できない素晴らしさ
繰り返しの日々の中で、小さな幸せを見つけて静謐に生きる主人公。 監督の力量なのか、主演俳優の力量なのか、全てが良いのか、最初から最後まで無駄なく美しいストーリーと映像。何に感動してるのかが自分でもわからないままに泣けてくる。 この素晴らしい映画を伝える語彙が見当たらないので、とにかく観て自分たちの目で感じていただきたい。 本当に映画って素晴らしい。
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東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。木々がつくる木漏れ日に目を細めた。そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を小さく揺らした。
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繰り返しの日々の中で、小さな幸せを見つけて静謐に生きる主人公。 監督の力量なのか、主演俳優の力量なのか、全てが良いのか、最初から最後まで無駄なく美しいストーリーと映像。何に感動してるのかが自分でもわからないままに泣けてくる。 この素晴らしい映画を伝える語彙が見当たらないので、とにかく観て自分たちの目で感じていただきたい。 本当に映画って素晴らしい。
社会との接点を可能な限り少なくしつつ、トイレ掃除という社会での役割を果たしながら、誰も傷つけず誰からも非難されない、古い音楽と書物を友にして、周りの何気ない自然・風景を愛して暮らす、足るを知る安全な人生。 perfect days、こんな生き方もあるなんて、そんなお気楽な映画ではない。 毎晩寝入った後に現れる夢は主人公の心がそんな悟りとは程遠いことを表しているし、妹との会話は父親と和解できない人生をうかがわせる。古いカメラからプリントしたばかりの写真の気に入らないものをその場で捨てる場面は、見たくない現実から目を逸らす姿だ。 これはひとつの幸せの形などではなく、トラウマにまみれた現代の生きづらさから、逃避した主人公の人生をこの映画は描いている。最後の場面は、perfect daysに満足した微笑みではなく、人生の苦さを懸命に噛み殺している、役所渾身の演技である。 同時に監督が愛した小津の描いた古い日本の街の姿の、失われた今を映して哀しい。
一足先に「PERFECT DAYS」を鑑賞。 作品の途中で既に「これは個人的に今年のNo. 1になるのでは…」と感じる程引き込まれ、その予感は時間を追う毎に確信に変わっていき、エンディングでは身体が震えた。これからの人生を自分が一人で生きていく為の指針となる作品。今年No. 1どころか僭越ながらこれまで観た映画の中で確実にBest5に入る。加えて音楽好きは必見と言えるかと。 余韻が残る今、かなりのハイテンションで書いているのでこういった派手な文面になっているが、作品自体は実に静かで派手な事件も無く、淡々と進んでいくので、好みは分かれると思う。それなのに、どうしてこうも心が震わされているんだろう。 役所広司さんがあまり言葉を使わず、表情だけで気持ちを表現する力は圧倒的だし、脇を固める柄本時生さん、石川さゆりさん、三浦友和さんも流石の存在感。 しかも光栄だったのは、プロデューサーの高崎卓馬さん、柳井康治さんとお話出来る幸運にも恵まれ、個人的に質問をさせて頂いたところ、快く答えてくださり、更に目から鱗。 最後になったが、やはりヴィム・ヴェンダース監督は只者では無かった。
「何も変わんないなんて、そんなわけないですよ」 舞台は東京。スカイツリーを仰ぐ古びたアパートに住むトイレ清掃員・平山(演:役所広司)の1日は決まっている。夜も白んでいない朝、近所のおばちゃんが道を掃除する音で目を覚ます。布団をたたみ、歯を磨く。口髭を整えてから顎髭を剃る。観葉植物に水をやり、つなぎを着る。玄関に並べた鍵や腕時計を身につける。アパートに朝日があたり、ドアを開けて外に出たら駐車場の自販機でBOSSの缶コーヒーを買う。車に乗ったら、途上で聴くカセットテープを選ぶ。昼休み、近くの神社でサンドイッチと牛乳を飲む。境内の木々から木漏れ日がさす。平山はいつも携帯しているカメラで木漏れ日を撮る。担当エリアの公衆トイレの清掃を終えると家に戻り、自転車を漕いで銭湯に向かう。湯上がり後に駅の大衆食堂で夕飯をひとり食べる。シフトがある日は毎日この繰り返しで例外はない。大都会の真っ只中、忙しなく行き交う人々は平山の姿に目もくれない。完全にいないもの扱いだ。身内でさえ、平山がトイレ清掃員であることをあまり快く思っていないきらいがある。だが平山は別段気にする様子もない。都会に忘れ去られるほど都市に溶け込んだ男の目は、一見何も変わっていないように映る風景のほんのわずかな変化を確かに切り取っていた。公衆トイレで日々書き足される9マスの⚪︎×ゲーム、場所を移したホームレス、境内の木の根元に芽生えた新芽...そのわずかな変化に平山は生命の充足をおぼえる。 役所広司に心底惚れた。言うまでもなく、現代日本映画界を引っ張ってきた旗頭だ。その役所広司がここまでオーラを消せるのか。劇中124分、平山は必要最低限の言葉を発するのみでほぼ喋らない。喋る必要がないからごくごくわずかな表情の変化を見せるのみだ。恐らく平山は本来ならばトイレの清掃員ではなくホワイトカラーとして生きるはずだったであろう描写が繰り返し登場するが、平山の過去に何があったかはほとんど語られず、観る側としては想像するほかない。言葉に頼らずに観る側に伝えるという芝居は、ある意味映像作品の原点に立ち返ったと言っていい。そしてホームレス役の田中泯も要所要所で印象的な姿を見せる。確かな技に裏打ちされた言葉に出ない自信を垣間見た。 社会人になってから今日まで変わらずに思うことがある。社会で最も恐懼すべきは社長でも、重役でも、株主でもなく清掃員だ。お偉いさんを敵に回したところで、最悪組織を辞めればいい。だが清掃員を蔑ろにした人間に生きる場所はない。常々そう思う。このろくでもない、すばらしい世界は目に映らない誰かによって支えられている。 今日も平山のルーティンは変わらない。静かな男の眼差しには、今日も朝日があたっていた。
とてもいい、非常にいい! 魅力あふれる人間平山。 役所広司すばらしいです。魅了されました。 作品としてすごい力がある。 ・事件とかないのにまったく飽きない。 ずっと観ていられる。 事件はないけど何かはある。 ・すべてのシーンに意味がある。 無駄なものがない。 動作も表情も、少ないセリフも。 ・変に考えさせるところがない。 わかりやすい。でもじわじわくる。 ・平山の素性を、具体的には知らされない のだけれど、平山がどんな人かは すごくよくわかる。 映画観たら平山が好きになる。人間として。 最後の平山の表情、役所広司の芝居がすごすぎて何ー!ってくらいに感動しました。 あんな芝居できる俳優、そうはいないでしょう。 すごい、すごすぎる。 個人的には役所広司と三浦友和のシーンが好きでした。 基本、あーいいなー、というシーンばかりです。 よかったー。
生きてると一緒に居たいけど居れない理由がそれぞれあって、それでも生きていかなくてはいけない。それは一瞬でもあるけれど、心に刻まれる。変わらないものはない。今は今、今度は今度。今を大切に。 木漏れ日のように穏やかに人生暮らしたい。
淡々とした日常と言いつつ、案外ちまちまと色々ある。で、読み取らせよう、解釈させようってあざとさがね。 昔のつまらない邦画みたい。 しかも、エピソードのほとんどが女性絡みってのが、秘めたる欲望を感じて気持ち悪かった。
欧州人の撮った東京ってやっぱりこうなるよなとか、描かれない仕事の部分が妙に気になるよなとかいろいろ考えてしまったし、観光映画とか言われちゃうのもわかる。複雑な気分にはなる。アイドル映画的にも見えてしまったりもする。 でも、老境にさしかかった男のシンプルな生活の描き方には普遍的なものを感じるし、カーステレオから流れるソフトロックとのマッチングやジットリとは描かない人間模様は邦画では出せない味わいだし、最初の意図であろう東京のアピール映画を越えているのは悪くないんじゃないの。生活を支える人の話として周囲を見直せる効力も感じる。
とても良かったです 予想通りやられました 平山(小津安二郎監督「東京物語」のお父さんと同じ名前!)は自分だと思うのはボクだけじゃないと思います ぼくら生活者それぞれの世界が毎日繰り返しているようで少しずつ変わることの愛おしさだけでなく 平山の佇まいというか立ち居振る舞いが仕事の仕方も例えば自転車のスタンドを立てるような動きまで全て隙がなくてきれいでまるで茶道や花道や武術の所作のようでした ジム ジャームッシュ監督「パターソン」のアダムドライバーのように平凡な日々のですが でもなんていうか研ぎ澄まされた達人感が平山にはありました そして、劇中の音楽がどれもとても良くて この映画と平山らしさの核になっていました 特に 石川さゆりさんの唄う「朝日のあたる家」(The House of the Rising Sun)と ニーナ シモン「Feeling Good」の It's a new dawn It's a new day It's a new life for me, ooh And I'm feeling good ってところ 姪の名前がニコ(エンドロールではNICOじゃなくてNIKOでした)だっていうのも好きです それから ウィリアム フォークナー「野生の棕櫚」 幸田文「木」 パトリシア ハイスミス「11の物語」 の三冊は是非とも読んでみたくなります
お帰りという居酒屋の店主、写真屋は言葉も交わさないのに、行きつけ感。誰か分からないけどマルバツのやりとり、同僚の彼女と音楽の趣味で共感。カセット、私も20代の頃、買ってた。パティースミス、懐かしい。木漏れ日の写真、趣味のいい文学、盆栽までは行かないけど、木を育てている。お一人様、寂しくない、という映画なのか、と思わせておいて。地続きのように見えて、別の世界を生きている、とか、変わらないなんてあるか、とか、突然言い出すし、抱きしめるし、泣くし。いや、父親と何か確執があったらしく家族と距離を置いているらしいお一人様の兄も、運転手付きの奥様の妹も、寂しい。ラストシーン役所広司の微笑みながら泣いているアップがずっと続く。うまいと思うけど、やっぱり、役所広司、あの映画、この映画出過ぎ感。他にいないのか。無理だけど、もっと見知らぬ役者で見たい。知らない外国人役者で見たい。韓国で撮ってくれたらどうだったかな。トイレ掃除に毎日新鮮に取り組めるのは日本人だからあり得る設定か。