95点
恣意的な編集が気になる、としても映画としての魅力に抗えなかった。あくまでエンターテインメント映画としての魅力。なんか、ほっこりしませんでした?
国内最大級映画チケット予約サービス アプリで開く
2014年にゴーストライター騒動で日本中の注目を集めた佐村河内守を追ったドキュメンタリー映画。監督は、オウム真理教を題材とした作品『A』『A2』で知られる森達也。聴覚障害をもちながらも、「鬼武者」や「交響曲第1番《HIROSHIMA》」を発表し、〈現代のベートーベン〉と称賛されていた佐村河内氏。しかし、音楽家の新垣隆氏が18年間にわたり、佐村河内氏のゴーストライターとして作曲をしていたことや佐村河内氏の耳が聞こえていることを告白。佐村河内氏は作品が自身の作品だけではないことを認め一連の騒動を謝罪したが、新垣氏のことを名誉毀損で訴える可能性を示唆した。本作は、その後沈黙を続けている佐村河内氏の素顔に迫るとともに、取材の申し込みに来るメディア関係者や外国人ジャーナリストらの姿も映し出している。
恣意的な編集が気になる、としても映画としての魅力に抗えなかった。あくまでエンターテインメント映画としての魅力。なんか、ほっこりしませんでした?
スキャンダルを抱えていても皆と同じ生身の人間なのにメディアも視聴者も彼らをおもちゃのように扱うよね、という思いに至る。新垣さんのモデルデビューに執着したり、豆乳めちゃくちゃ好きだったりする人間臭さが印象的でした。
昔から好きな森達也さん監督作品。 すべての表現には、表現する人とそれを受け取る人の解釈(偏り)が介入する。 表現する人は後ろめたさと覚悟を。受け取る人は自分にとって心地よいものしか受け取ってないのではないかという疑念を。持っていることが健全だと。 何事にも客観的で公正な真実があると思ったら、おお間違いなのだということを残酷に見せつけてくれる最高の映画でした。
ラスト12分。 何を信じるべきなのか、果たしてそこに 真実と捉えるべき事柄はあるのか。 ただひたすら、吠え、吐露し、投げ出される 佐村河内守という生態。 カメラの前の姿を間に受けることは出来ないが 加熱する報道に世間が飲みのこまれたのも事実。 1:50中何個のケーキが出てきたのだろう。 ケーキが出てくるだけで後半は笑いがこみ上げる。 コントのように 温かな夫婦の愛と絆に 怒り 哀しみ 諦め 渦まく形を見ていると 彼らこそがまさにTVショウのようだった。 エンドロールからの流れは呆気にとられる。 森達也監督の靴下 最後の姿 信じるってなんだろう?
ゴーストライター事件で2年前に時の人となった佐村河内さんとその家族に焦点を当てたドキュメンタリー作品です。 今まではドキュメンタリー=リアルな話だと思っていたので、作品に描かれているものを何の疑いも無く信じて観てきました。 しかしこの作品は描かれている全てのものが疑わしく思えてきます。 本当に耳は聞こえないのか?作曲家としての技術力は?といった今作の重要ポイントはもちろんの事、表情、言動、振る舞いや住んでいるマンションに至るまで演出の一環なのではと疑ってしまうほど何か不自然さを終始感じます。 あらゆる情報が開示されているのになぜか素直に受け止められない。 そしてそういう気持ちを助長するような演出が随所にあります。 例えばマンションに備えられていた消火器が投げ出されるという事件が起こるが犯人は見つからず、その直後に佐村河内の怪我した手がアップされるなど不審に思わせるような演出も多々ある。 作り方一つで観ている人の気持ちをコントロールする事が出来る。今回の作品でその部分を森監督は証明しているのと同時に、劇中で訪れるテレビ局の人の取り上げ方や真実をネジ曲げた報道もまさにその手法だという事をこの作品で警告しているように感じました。 そして問題のクライマックス12分間は、まさに森監督らしい「やらせ」の演出。 人によって「やらせ」と感じるレベルは違うと思うのでこの結末を観てどのように感じるのかは その人次第だとは思いますが、FAKEというこの作品のタイトルはあまりにぴったりで寒気がした。 エンディングロール後の質問とあの間は怖すぎて放心状態になりました。 続きも観たいしいろんな人の感想を聞いてみたくなる。 人の感情を弄ぶような傑作でした。