尊い命の賛歌
starstarstarstarstar - 7年前
メキシコの中流白人家庭が舞台。
父親が医師、母親が教師という共働き、子ども4人。
主人公はそこに住み込みで勤める、若いメキシコ人家政婦。
1970~71年の約1年間に、この家庭と家政婦自身の身に、ショックな事が立て続けに起こる。
この話は… 続きを読む
メキシコの中流白人家庭が舞台。
父親が医師、母親が教師という共働き、子ども4人。
主人公はそこに住み込みで勤める、若いメキシコ人家政婦。
1970~71年の約1年間に、この家庭と家政婦自身の身に、ショックな事が立て続けに起こる。
この話は、人種や地位を超えて「家族」とは何かを考えさせてくれると同時に。
ダメ人間に振り回されて傷ついた女性たちの、魂の再生の物語でもあった。
なるほど、『トゥモロー・ワールド』『(ゼロ・)グラビティ』で見せたような、丁寧な画面作りをしている。
デジタルでいくらでも鮮やかに仕上げられるこの時代に、あえてモノクロームで表現していたが、色がついていたらグロテスクなものもあったし、約49年前という懐かしさを感じさせる点もあったし、実に効果的な手法に思えた。
また、光を考え抜かれたカメラワークによって観る者の色の想像を喚起してくれ、かえってカラフルに感じた。
今のアカデミー賞には、実に合った作品であると思う。
個人的好みとしては悪くないが、エンタメ的ではない。
文芸的といおうか。
私小説のようといおうか。
劇場で集中して観るにはよいが、テレビ画面で観たら、眠くなるのも当然だった。
未だ、小津や木下の映画は、スクリーンじゃないと最後まで観る自信がないのに似て。
それにしても、白人からメキシコ人に至るまで、出てくる男性が全てクソ。
人間のクズの見本市状態なのは困った。
ちなみに犬の糞も出てきます。
対して、女性たちの繊細ながらも、なんと強くて逞しい姿が輝かしいのか。
(男女性差を口にするのはあまり好きじゃないですが、)女性を尊く感じさせてくれる映画でしたね。
一つ付け加えるなら、本作は紛れもなく映画。
調べてみたら、どの配給会社や映画制作会社も、本作に出資せず、監督がどうにか資金を集めて撮り終えた作品をNetflixが買い劇場配給とネット配信したというもの。
ネット配信前提のテレビドラマ拡大版的な自称映画とは一線を画しています。
女性への讃歌
starstarstarstarstar - 7年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
淡々としているのに、後半、胸が締め付けられそうになる。観終わって数時間、数日、、、時間が経ってからジワジワと良さを実感する、そんな映画だ。女の哀しみと強さと逞しさが際立った作品。子供礼賛、家族礼賛の現代日本ではたたかれそうだけど「欲しくなかったの」そう言ったっていい。女性の身体の自己決定権は世界中で今まさに問題になっている。産むのだって大変で壮絶だ。白人中産階級の家で働く先住民の主人公が、保険もない、パートナーもいない状態で運ばれた分娩室での風景は全く美しくない。まるで戦場だ。生命の誕生はこの映画では全然美化されていない。だけど、目の前で溺れかけている命を必死で救おうとする主人公には、静的な、しかし確固たる強さがにじむ。この映画、母性を過度に称揚せずに、女の強さを描いている、すごい作品だと思う。(スピヴァクのサバルタンの理論で色々解釈深められるかも?)
ROMA
starstarstarstarstar - 7年前
TIFFで観て以来、4ヶ月半ぶりのROMAは
六本木鑑賞時の倍の約20m幅の大スクリーンに
計38台のスピーカーで囲まれた
15.1ch “GDC featuring dts-X” 採用の
4ウェイ立体音響シ… 続きを読む
TIFFで観て以来、4ヶ月半ぶりのROMAは
六本木鑑賞時の倍の約20m幅の大スクリーンに
計38台のスピーカーで囲まれた
15.1ch “GDC featuring dts-X” 採用の
4ウェイ立体音響システム「ULTIRA」で鑑賞
キュアロン推奨のドルビーアトモス上映が 未だ実現しないので
天井からの音がないのを妥協したカタチだが
初体験となったULTIRAは 立体音響システムにより
擬似的な天井音を創り出し
“音に包まれる感覚” は TIFFで観たものとは段違いの
素晴らしいものだった
地震のシーンでは
重低音による地響きで劇場全体がまるで
4Dかのようにリアルに揺れたし
ラストの波のシーンでは
526の観客席全てが
波に飲まれてしまうぐらいの恐ろしい大轟音
135分間 “あの場所” にいたかのような
環境音に包まれた感覚は
常に情報量が豊かで
控えめに言っても最高の体験だったと
3日経った今でも 余韻に浸っている
もうひとつ キュアロン推奨のホワイトスクリーンに関しては
イオンシネマはシルバースクリーンなため
本来の映像美からは若干暗めに見えたのは残念だったが
この音響を体験した今となっては
それは贅沢すぎる望みだったようだ
もし映像美を重視するならホワイトスクリーンで上映してる
アップリンク吉祥寺をオススメする
海老名や板橋のTHXも素晴らしいと聞いたけど
全部に行ったツワモノの意見では
シアタス調布のULTIRAが1番とのこと
タイミングが許すならもう一度
映画のまち調布にあるROMAまで 旅に出てみたい
定点の美
starstarstarstarstar - 6年前
1970年代のメキシコシティで暮らす家族を中心に、国内の動乱と共に日常の生活も揺れ動いていく様を美しく描いたドラマ作品。
Netflix作品としては日本で初めて劇場公開され、米アカデミー賞では外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した他、数々の… 続きを読む
1970年代のメキシコシティで暮らす家族を中心に、国内の動乱と共に日常の生活も揺れ動いていく様を美しく描いたドラマ作品。
Netflix作品としては日本で初めて劇場公開され、米アカデミー賞では外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞した他、数々の映画賞にノミネートもしくは受賞し、2018年最高の一本の一つとされる。
監督は、『ハリーポッターとアズカバンの囚人』『ゼログラビティ』のアルフォンソ・キュアロン。
監視カメラの映像のような白黒定点撮影は、落ち着いた印象を与え、かつ定点であるが故に今どこにフォーカスが当たっているのか、想像力と観察力を常に掻き立てられる。カメラワークがほとんど上下せず元の高さから写しきった隅々まで整理整頓されている。非常に美しい作品だと思う。
ただ、変わった映画であるのは間違い無いので、これが米アカデミー作品賞のフロントランナーであったのは興味深いことだ。
非常にリアルな演技で話題を呼んだ家政婦クレオ役のヤリッツァ・アパリシオは今作で映画デビュー。それ以前はメキシコで幼児教育の学位を取得していた。
ベッドシーンでがっつり男性器が映されている。糞男フェルミン(ホルヘ・アントニオ・ゲレーロ)の。このシーンなどから日本ではR15指定で公開された。
演出が綺麗でした
starstarstarstarstar - 6年前
時代背景はよくわかんなかったけど繊細で愛のある映画でした、水の音が心地良かったです
淡々 でも弱くない
starstarstarstarstar - 7年前
住み込み家政婦の一人、クレオ
雇い主は彼女の出自を知らない
子ども達に愛情もって接しても
彼らはクレオの姓名を知らない
淡々と流れない不穏な社会
妊娠したクレオを認めない若者
妻と子ども達のもとから去る夫
男達は彼女達の悩みを知らない
淡々とみえる海、弱くない波
クレオの無心に対する家族の愛
彼女達を包む神秘的な感謝の光
美しい映像
starstarstarstarstar - 7年前
こんなに美しい映像と共にはじまる作品を久しぶりに観た。モノクロの世界がより色を鮮やかに想像させ、こんなにも映像が感情を語るものだろうかと驚いた。
溢れる日常の音をバックに、小さな出来事も大きな出来事も含めて淡々と静かにストーリーは流れ、それを追うようにカメラも余韻を所々残してはゆっくり流れていく。すべてが繋がりを見せ、後半の波のシーンは何とも言えず胸が締め付けられる。
ROMA
starstarstarstarstar - 7年前
音響が素晴らしく、リアルな人生を描いていて、何故か泣いてしまう映画
映画館で見れてよかった
starstarstarstarstar - 7年前
4人の自由奔放な子どもたち、犬の鳴き声、犬のフン、終わらない家のお仕事… 冒頭はどれもウンザリだったのに、最後には愛おしくかけがえのない日常なんだと知る(フンが愛おしいとは流石に大げさか)。
Netflixとかアカデミー賞とか、作品の中身… 続きを読む
4人の自由奔放な子どもたち、犬の鳴き声、犬のフン、終わらない家のお仕事… 冒頭はどれもウンザリだったのに、最後には愛おしくかけがえのない日常なんだと知る(フンが愛おしいとは流石に大げさか)。
Netflixとかアカデミー賞とか、作品の中身以外で目にすることが多く、とりあえず話題だったし見ておくか程度の気持ちだったが結果とても楽しめた。主人公の日常を丁寧に描いていたおかげで、彼女に起こるハプニングをリアルに受け止めることができた。ただし、単調に思える部分も多いので劇場という異空間で見られて良かった。自宅だと集中力続かなかったと思う。
さらに言うと、昔から何度も通った劇場で鑑賞でき、ここで出逢えた様々な作品を思い出すことができた。時代はどんどん移っていくが、映画館で映画を見る、という文化は廃れて欲しくない。
懐かしさと切なさと温かさと
starstarstarstarstar - 7年前
1970年初頭、メキシコシティは”ローマ”地区に住む中産階級の一家とそこで働く家政婦の日常を描いた物語。監督アルフォンソ・キュアロンの幼少期が色濃く反映されている。説明的でないのが良い。当時の政治状況や、入植民と先住民との格差などが、それと… 続きを読む
1970年初頭、メキシコシティは”ローマ”地区に住む中産階級の一家とそこで働く家政婦の日常を描いた物語。監督アルフォンソ・キュアロンの幼少期が色濃く反映されている。説明的でないのが良い。当時の政治状況や、入植民と先住民との格差などが、それとなく垣間見ることが出来るだけだ。クローズ・アップを極力排し、横移動を多用したモノクロの映像は美しく、ありふれた日常の風景とても詩的に映る。一方、音像も所謂「劇伴」は一切なく、音楽は劇中流れるものだけで、犬の鳴き声や物売りの声などの生活音がとても効果的に使われいる。極めて映画的な映画でとても魅力的だ。