主演女優の演技に感服
いやー、陽も陰も演じ分けて存在感たっぷり。渡世人を自称する二人がたどる孤独な道と激しく変容する故郷の喪失感が重なり、見るものの心を揺さぶる。中国のいろんな風景も自分には興味深い。中国にも粋がわかる人たちがいる。
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『青の稲妻』のジャ・ジャンクー監督がメガホンを取り、歴史的にも激動の変化を経験した現代中国を舞台にラブストーリーを描く。山西省の都市・大同。チャオはヤクザ者の恋人ビンと共に彼女らなりの幸せを夢見ていた。ある日、ビンは路上でチンピラに襲われるが、チャオが発砲し一命をとりとめる。5年後、出所したチャオは長江のほとりの古都・奉節へ行きビンを訪ねるが、彼には新たな恋人がいた......。
いやー、陽も陰も演じ分けて存在感たっぷり。渡世人を自称する二人がたどる孤独な道と激しく変容する故郷の喪失感が重なり、見るものの心を揺さぶる。中国のいろんな風景も自分には興味深い。中国にも粋がわかる人たちがいる。
女性の思いの深さと潔さ、男女の間に流れる時の長さと中国の変遷が心に残った。
極道男は見栄っ張りの屑で、自分にとって過去悪くて都合の悪い、言い出しにくいことは女に言わせる。カタギだったはずの女、チャオは、男(ビン)のために罪はかぶる、ビンに会うためには詐欺もする。すっかり渡世人に。出所したらビンはオンナを作っていて、チャオには会おうともしない。追い払おうとする新しいオンナに、アンタは関係ない、二人の問題だからビンから直接聞くと、微笑みながら言う。10数年後、脳卒中で半身麻痺でオンナにも見放され?落ちぶれてチャオを頼ってきたビンに、独身を貫きビンを待っていたのに、情などない、と言うときの、なんとも言えない表情。その切ない表情はビンには見えていない。一度は戻ったのに、出ていったのは、強いビンの前でメンツを保てないからか。それにしても、21世紀に入ってからの中国の変貌ぶり。最後のシーン、監視カメラの多さ。渡世人より怖い。
2001年から2018年までの中国の社会変化を背景に描かれたラブストーリー。これは今年一押しくらいの傑作。 ヤクザにビンに恋したチャオ。とても強い人間だけれども、不器用な生き方しかできない彼女に思わず感情移入してしまった。