K KZK boltネタバレ
正しい情報選択へ
starstarstarstarstar - 6年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
ワーナーブラザース試写室にて試写会鑑賞。
恥ずかしながらこの事件は鑑賞するまで知らなかった。
史実であるため観賞後はやはりリチャード及びリチャードの母が可哀想だという強い同情心が芽生える。
リチャードは法務執行官に強い憧れを持っていることから、行きすぎた正義感から過去に小さなトラブルを何度か起こしている。その正義心から爆弾に気付き、被害を最小限に抑えることもできたが、同時に過去の経緯や似たような事件がよその国でも起きておりその時の犯人像と似ていたという事もあってFBIに目をつけられるのが悲劇の始まりだ。
まぁリチャードもワトソンも劇中で口にしていたが疑い、捜査する事はFBIの仕事の一つでもある理解は必要なのかもしれない。ただこの悲劇はやはりFBIが証拠もない中疑いの段階でマスコミに漏らした事だよね。
そうなればマスコミも報道せざるを得ないわけだ。彼らも所詮はモラルよりも利益を優先した企業の一つにすぎない。どこの国も所詮同じだろう。
結局マスコミに代々的に報じられてはFBIもメンツを守る事に必死になってリチャードが犯人と決定づける証拠探しに躍起になったようにもみえた。
結局マスコミが国民を煽動し、そしてFBIも煽動した。
ただただリチャードが可哀想でしかたなかった。
リチャードも当初は憧れ心からFBIへ敬意を示し、操作に協力的であった。それをFBIは逆手にとり嵌めようとしたところもなんか見ていて切なかった。
最後リチャードはFBIに対して、このままでは次に同じような目撃者が出た時にリチャードの二の舞になりたくないと思いみて見ぬふりをして、悲劇を呼ぶよといったセリフがあった。
まさに今の時代を物語ってるのではないか。自分自身を振り返ってもまさにその通りで心が痛くなった。
この作品を見るだけではFBIの存在、マスコミの存在がとても憎らしくも思えるが、まぁ彼らの詳細も知らないためこの作品だけをみて彼らの存在を必要以上に憎む事はできない。リチャードの姿を見てるとそう感じた。
ただこの作品を通して今以上に正しい情報選択が個々にこれからは大切になってくるのかなと思った。
マスコミ、メディアも一つの企業に過ぎない。自分たち都合のいいような報道しかしないのは日本のマスコミを見ていても分かる通り。ただ彼らを必要以上に否定し拒否する必要もない。いろんな情報媒体がある今の時代こそ、自分自身で正しい情報を選択し、人生を豊かにすることが大切なんだと改めて感じた。
リチャードはその後警察官になり、病気で早くに命を落としたそうだが、この作品を天国で喜んでくれてるのかな。僕のような事件を知らない世代もこうやって作品を通して事件を振り返り、過ちを起こさないよう心がけて行動する者が増えていけば恐らくリチャードも喜んでくれるのではないか。
平 平野レミゼラブル 正しいことは正しい
starstarstarstarstar - 6年前
『運び屋』で遺書を書いたイーストウッドの爺さんが、1年も経たないうちに遺書を破り捨てて撮った新作。96年のアトランタオリンピックの爆弾テロでいち早く爆弾を発見し、大勢を救った英雄であるにも関わらず、FBIとメディアの偏向報道で冤罪を吹っ掛け… 続きを読む
『運び屋』で遺書を書いたイーストウッドの爺さんが、1年も経たないうちに遺書を破り捨てて撮った新作。96年のアトランタオリンピックの爆弾テロでいち早く爆弾を発見し、大勢を救った英雄であるにも関わらず、FBIとメディアの偏向報道で冤罪を吹っ掛けられた実在の警備員リチャード・ジュエルを描いた作品になっている。SNSの発達により、当時よりも情報に踊らされやすく、誰もが「知らん人評論家」になりがちな現代にこの題材を持ってくる辺り、イーストウッドの爺さんの感性の若さとフットワークの軽さは健在。実話を元にしながらもその実態は不良ジジイ(=イーストウッド自身)の開き直り珍道中と贖罪だった前作と打って変わって、正しいことをしたのに責められる男の悲惨としか言えない実話そのものをぶつける落差も物凄いことになっている。そして普通に描いたら胸糞悪さの連続で気分悪くなりかねないところを、友人の弁護士ワトソン・ブライアントとの熱い友情や、リチャードの成長譚をも描写して溜飲をいくらか下げさせる作りがグッと来る。でもやっぱりあのFBI捜査官や女記者は本当に胸糞悪い。ブチ〇してやりたい。
主人公のリチャードは常に「正しいこと」を成している善人。洞察力にも優れ、常に先回りして気も利く優秀さを持ち合わせており非の打ちどころがないように思えるけど、じゃあ率先して友達になりたいか?と聞かれると「NO」という感じの人物。なんせ「正しいこと」を率先しすぎるあまり融通はきかないし、気の利き方も「ゴミ箱にスニッカーズの袋が捨ててあったから好物だと推測してデスクに備蓄を補充しておく」といった感じでちょっと気持ち悪い。唯一リチャードを認めてくれるワトソンくんも流石にスニッカーズ補充に関してはドン引いてるしね……そんなリチャードのクセのある人物像の紹介と、ワトソンとの友情の始まりをサラッと描く冒頭からして面白いんだから否応にもテンションが上がる。
この友情の描写がまた絶妙で、ワトソン側はリチャードが一躍時の人になると「よくやった!」とテレビに向かって褒めはするけど、わざわざ電話はしない。リチャード側もいの一番に報告するでなく出版の誘いがあった時にワトソンにアドバイスを求めるといった具合に互いに敬意と信頼があるんだけれども意外と疎遠という。それでも明らかに専門外なのに弁護を担当したり、日常生活でまでサポートをしてくれるワトソンの良いヤツ度が光り輝く。でもリチャードの全てを知ってるわけではないので思わぬ隠し事に激怒したり、リチャードの度を超えたお節介&いらんことしぃ癖を図りかねるのが友との相互理解の難しさを表してもおり、ちょっとコメディ的でもあり……
特に「絶対に余計なことするなよ!絶ッッッ…対に一言も喋るなよ!!」と忠告したのに、秒でリチャードが余計なことを喋りまくって(コイツ、マジか…)みたいな顔を連発するのが完全にコントの前フリとお約束の流れで笑ってしまった。しんどい描写が多い作品ではあるけれど、この2人のやり取りはユーモアに溢れていていい感じのガス抜きになる。
ちなみにこの前フリの流れ、終盤の反撃の展開にも繋がってくるのが非常に熱い。詳細は伏せるけれども、自分の憧れていた法の執行官に「正しいこと」を不当にズタボロにされてなお、自分の原点の「ある立場」に立ち返り「正しいことは絶対に正しい」というストレートなメッセージ性にグッとくる。しかも、そこに一緒に戦ったワトソンとの友情も乗っかるんだから堪らない。あの一室での一連のシーンは本作屈指の名場面だろう。冤罪と報道被害というテーマで、ここまでのエンタメを確立してしまうイーストウッドの爺さんにまたしてもノックアウトだ。これが今年の『運び屋』同様に来年初っ端から門番として立ち塞がるっていうのも素晴らしい。イーストウッドの新作を観ることが最大の喜びになりつつあるかもしれない。
超絶オススメ!!
P Pilot あの弁護人がいなければ
starstarstarstarstar - 6年前
リチャード・ジュエルさんが、あの弁護人と仲良くしていなかったら、とんでもない冤罪になっていたでしょうね。
早くに亡くなられてしまった様ですが、正直に生きていてもこの様な事に巻き込まれる事もあるのかと世の中の不条理を感じさせられる作品でした。
K KUBO 90歳で、この傑作! クリント・イーストウッドは神だ!
starstarstarstarstar - 6年前
最初に言っておきます。クリント・イーストウッドは神です! 90歳にして、これだけの作品を撮るなんて、信じられません!
それにしても、状況証拠とも言えない、当時流行のプロファイリングとかいう憶測だけで、物的証拠もなく、自白もないのに、ここま… 続きを読む
最初に言っておきます。クリント・イーストウッドは神です! 90歳にして、これだけの作品を撮るなんて、信じられません!
それにしても、状況証拠とも言えない、当時流行のプロファイリングとかいう憶測だけで、物的証拠もなく、自白もないのに、ここまでできるんかいFBIは? 予告編にも出ているように、証拠をでっち上げてまでリチャード・ジュエルを犯人に仕立て上げようとする。
ちょっと頭は弱いけど、正義感の塊のようなまっすぐな男リチャード・ジュエル。融通は利かないし、ノロマでデブだけれど、誠実、実直を絵に描いたような男なのに、爆弾をいち早く見つけて多くの人たちを救ったヒーローなのに、「第一発見者は怪しい」などという理由で疑われる。
本作のテーマは2つ。FBIの杜撰な捜査による冤罪事件。もうひとつは、マスコミによる民意を煽動する過剰で恣意的な報道。
オリンピックという国家的イベントに泥を塗られ、犯人を仕立て上げてでも誰かを逮捕しなければ沽券に関わるFBI。情報の真偽は二の次で、色仕掛けでも特ダネを抜いて満面の笑みを浮かべるやり手の女性記者は、リチャード・ジュエルとその家族を奈落の底に突き落とす。
最近のクリント・イーストウッドは実話もの、特に知られざる善行を行った人物を取り上げた作品が多いが、本作は『ハドソン川の奇跡』に一番近いかな? 善行を行ったにも関わらず、あらぬ疑いをかけられ、それでも「正義は勝つ!」というパターン。辛く苦しくても、最後はスッキリ! 私、このパターン、大好きなんです。
でも、これを今、日本で公開する意味はもう一つあるかも。オリンピック関連イベントでの爆弾テロ。日本は大丈夫か? 本作のようにリュックをベンチに置き忘れるなんでやり方を、ちゃんと阻止できるのか? オウムのサリン事件以外、テロらしいテロの経験のない日本で、多くの外国人が入り乱れる東京で、東京は平和に2020年の夏をおくれるのか? ちょっと怖くなった。
齢、90歳のクリント・イーストウッド。これからの一作一作、どれが遺作になってもおかしくない。そして、毎回素晴らしい作品だが、本作『リチャード・ジュエル』も大傑作だ! これからもクライド・イーストウッドが命を削って生み出していく作品を、大事に大事に鑑賞していこう。
ヒ ヒロケン 良かった。
starstarstarstarstar - 5年前
クリントイーストウッド監督の作品にいつも信念を感じるというか、一つ一つの作品が映画界への遺書のように思える。
世の中には真実が立証されてない事件もきっとあると思う。だからこそ、この手の作品には高評価が伴うんだろうな。そして、実話ですと謳わ… 続きを読む
クリントイーストウッド監督の作品にいつも信念を感じるというか、一つ一つの作品が映画界への遺書のように思える。
世の中には真実が立証されてない事件もきっとあると思う。だからこそ、この手の作品には高評価が伴うんだろうな。そして、実話ですと謳われてしまうと、視聴者は作り物として見ないからね。
だからより感情移入しやすいと言える。
そう言いつつ、自分も評価は高い。
それは、登場人物全てが、素晴らしい演技をしてるところにある。実話云々より、本当にみんなそのものに見えた。役者じゃなく、そこにいた。
素晴らしいと思います。