るろうに剣心完成。
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これまでの4作とは明らかに違う。 これまでのアクションを期待していると満足できないかもしれない。 過去作はアクション作品だが今作はラブストーリー。 原作も知っていたし、ファイナルも見ていたら話の流れはだいたいわかるが重厚だった。 尊王攘夷派の暗殺人"人斬り抜刀斎"として多くの人を殺め、新時代の到来まで先陣切って躊躇いなく手を汚す。 映画冒頭、戦略的に敵の懐に入り込み、耳を噛みちぎり、惨殺する姿は緋村剣心でなく人斬り抜刀斎なんだと印象づける。 ただ、生への執念を目の当たりにした時、 自分の行為へ疑いを持ち始める。 そして、巴の登場により緋村に迷いが生じる。 最初こそ殺しを見られたため致し方なしとするが 巴に人斬りやめるよう諭され心が揺れる。 遂には刀を持たぬ市井の人の巴に刃を向けてしまい自身の矜持までもが不確かであることに気付き揺らぐ。 それと同時に、徐々に巴に対して心を許し始めていく。 一方で動乱は苛烈さを増していく。 池田屋事件が起こり新撰組が勢力を拡大、 長州藩は禁門の変も経て朝敵となる。 桂小五郎は身を隠し、緋村も京都の山村に身を潜める。 緋村が巴と出会った時は互いに心を閉ざし眼に光も無かったが、共に暮らしていくにつれて、目つきも柔らかく、声のトーンも優しくなり、笑みまで溢れるようになる。 そんな緋村の姿を見守っているうちに、巴も自らの許婚を殺した仇を想ってしまい、葛藤していく。 そして遂には、緋村への復讐をやめようとするが、巴の思いとは裏腹に緋村暗殺に向けて幕府側も動きだす。 心を折り、耳を塞ぎ、目を潰し、満身創痍の体に襲いかかる。 戦い方は卑劣にも見えるが、そこまでしなければ勝てない相手と自認して、命を賭してでも次の刺客に襷を繋ぐ姿は敵ながら天晴れだった。 緋村は尊攘派の正義を背負い、彼らもまた幕府側の正義を背負って戦っている。 最後は巴に救われる。彼女を失った緋村は頬の十字傷を抱えながら、これまで奪ってきた命に報うためにも改めて新時代へ進み続けることを決意する。 頬の傷は巴が生きた証なのかもしれない。 沖田総司との戦いや斎藤一との絡みももっと見たかったが、アクションよりも剣心と巴が互いに心を許し合っていく心の機微が丁寧に描かれている。 喜び、安堵し、怒り、悲しむ。 1人の暗殺人が感情を持つ1人の人間への変化していく。 今作はるろうに剣心の中で唯一、人斬り抜刀斎が描かれている。そして、ここからるろうに剣心が始まる。 この作品を持って全5作、るろうに剣心完成。 ありがとうございました。