いつも期待を裏切らない
アルモドバルは日本での評価が低すぎると思う。 扱うテーマが微妙で普通に宣伝するのは難しいかもしれないけれど、映画館に足を運ぶと独特のテンポで飽きる事なく最後まで観て、映画としての感動がある。 是非、沢山の人に見てほしいドラマがここにはあります。
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脊椎の痛みから生きがいを見出せなくなった世界的映画監督サルバドール(アントニオ・バンデラス)は、心身ともに疲れ、引退同然の生活を余儀なくされるうちに過去をよく回想するようになる。子供時代と母親、その頃移り住んだバレンシアの村での出来事、マドリッドでの恋と破局。その痛みは今も消えることなく残っていた。そんな折、32年前に撮った作品の上映依頼が届く。思わぬ再会が心を閉ざしていた彼を過去へと翻らせる......。
アルモドバルは日本での評価が低すぎると思う。 扱うテーマが微妙で普通に宣伝するのは難しいかもしれないけれど、映画館に足を運ぶと独特のテンポで飽きる事なく最後まで観て、映画としての感動がある。 是非、沢山の人に見てほしいドラマがここにはあります。
終始抑えたアントニオバンデラスの演技が素敵。ちゃんと良い老け方してる。。 綺麗どころの役ではないペネロペクルスも最高。 著名なペドロ・アルモドバル監督の映画は、どれも毒毒し過ぎるといつも思うが、今回は違う。 強い日差し、カラフルな街並みや部屋の色遣い、スペインらしくて素晴らしい。
主人公のサルバドールの人生のいわゆる悲劇の部分を軸として淡々と描いていく為見ていてどんよりした気持ちになるが、それでもサルバドールの人生を共感しながらある程度楽しみながら鑑賞することはできた。 この作品で描かれているように社会的に成功者でもどこか満たされない部分というのはあるのであろう。 もちろんそれは成功者とまではいかなくてもそうだ。 一見幸せそうになに不自由なく生活を送ってるものでも、何もかもが幸せである者は早々いないではないか。 欲を満たされない部分を悲劇と捉えていいかは分からないが、そういったマイナス部分も人生という物語の一部であり、それは第三者にとっては魅力的なストーリーであったりもする。 サルバドールの悲劇もまたちょっとした掛け違いから生まれたものであったりもする。それが第三者からみると自分に置き換えたて共感したり、はたまた教訓にすることで悲劇を喜劇に変えたりする事で楽しめたり、魅力的に感じる事ができたりもする。
アルモドバル作品は沢山の人に勧めたくなるものが多く、何回観ても鳥肌が立ってしまうような名作が多いです。 毎回エンドロール後「映画最高だったなぁ」としみじみ余韻に浸ったままゆっくりとした足取りで劇場ロビーへと向かうんですが、その時感じる充実度が普通に生きていてもなかなか出会えないレベルなんです。 今回もそんな高いハードルを越える期待通りの作品でした。 アルモドバル作品の共通して言える好きな所は、脳裏に焼き付く美しい映像と音楽をこれでもかっていうくらい堪能できるのと、面白い人間関係の描き方や予測不能な話の展開です。 今回のお話は第一線から退いていた映画監督サルバドールが人生で受けてきたあらゆる「痛み」に向き合っていく様が描かれています。 鑑賞中感じたのは、劇中のあらゆるエピソードにアルモドバル自身の体験談が盛り込まれているんだろうなぁという事。 主人公サルバドールの悩みはアルモドバルの悩みなのかもしれないって思いながら鑑賞ていると妙な生々しさと緊張感を感じました。 先にも書いた通り幼少期のエピソードなども挟みながらサルバドールの人生を追っていく作りなのですが、サルバドールの心情が表情や動きで観ているこっちとしては色々想像が膨らんできちゃって一人の男の壮大な自伝を観たような満足度でした。 これはバンデラスの演技力も多大なる貢献をしているんだろうなぁ。 あの陰を帯びた寂しい目はすごく心に残ります。 ネタバレになっちゃうから色々書けませんが、昔の仕事仲間だった俳優アルベルトが「中毒」を上演した後の展開はそこいらのホラー映画なんかよりドキドキして手汗がハンパなかった。 こういう急展開がアルモドバルの作品は最高なんだよなぁ。 とは言えちょっと偶然にしても出来すぎではないかと冷静になった今は突っ込みを入れてしまいたくもなるんだけどね。 最初は偏屈なおやじくらいにしか思っていなかったのに、全て鑑賞した後に序盤のサルバドールの行動を思い出すと何だか妙に納得できる。 思い出しながら感想を書いていたらもう一回観たくなってしまいました。
健康を害したことで鬱気味な映画監督は、創作意欲どころか生きる気力をも失いつつある。覚えたばかりのヘロインを吸っては子供の頃を追想する毎日。そんな彼の元に、かつての作品の修復版上映の話が来る。病だけでなく、2年前の母の死も彼に大きな痛手を与えたことが次第に判ってくる。生と性の深淵を描き続けたペドロ・アルモドバルも間もなく古希。彼自身と思しき主人公を演ずるアントニオ・バンデラスも既に還暦。彼らをデビュー時から観てきたやはり還暦を過ぎた身にとって、そのフィルモグラフィーも重なりとても心に響いた。
芸術的な映画でした。 芸術的過ぎて、私にはちょっと難しかったです。。 それぞれのエピソードが、後にどう繋がるわけでもなく、淡々と紡いでいく感じで、凄い映画だ…とは思うのですが、「え?それで?」と思ってしまう。。私はきっと浅いんだろうなぁ。
どんなに目を潤ませても 決して涙は流さず、役を演じきったバンデラスがお見事!
メタメタメタメタメタ。 昨今、メタ視点の作品が多いね。 名だたる監督がこぞってメタ作品をつくる。 最近も見たよオフビート監督によるゾンビで。 何だろうかこの風潮は。YouTubeを代表とする動画が日常的になりフェイク動画が巷には溢れ社会を混乱させている。その煽りを受けてか、もしくは反逆の狼煙をあげ真逆の道を辿っているのか。不勉強のワタクシには判断できない(>_<) プラス、苦悩する映画監督の映画。 これもよくある。 古くはフェリーニの8 1/2。この3部作の前2作もそうだし、ジュゼッペトルナトーレ、デビッドリンチ、北野武とか。 あーそうか。監督は絶対的な存在である。監督が白と言えば白。黒と言えば黒。そんな監督がフレームの中に出て悩みまくっている。絶対的な存在が揺らぐ。土台が揺らぐ。不安定な心理状態に陥いる。そんな効果があるか。今気付いた(笑) フレームを越えて出てくる。外に向かって出てくるが、逆に奥に向かって入っていく、潜っていくととも言える。二重、三重になるとなおさら。映画の奥を、社会の奥を、人間の奥を覗いているような気分になる。そして、自分の心のフレームがボーダレスになりより深く、深いところまで触れてくる印象。 うまくやればね。あくまでうまくやればね。 さすが名監督たちになるとうまくやってる(笑)
登場する家のインテリアが素敵。田舎の貧しい洞窟の家もおしゃれリフォーム。日本の田舎の貧乏暮しだったらそうはならない。主人公が病苦から無気力、ドラッグにハマるという暗い話なのに、画面は鮮やかな色彩、まぶし南欧の光に満ちている。それにしても60年代、主人公が少年時代、近所の青年にABCからの読み書き、四則計算を教える場面に驚き。スペインは格差社会なんだな。60年代の日本、貧しい青年もひらがなは書けただろう。でもこの青年の水浴びシーン、主人公が初めて欲情を感じて動揺する。私も不意打ちに驚いた。きれいな肉体美。ペインなんて忘れた。
コロナで騒然とする現在の 世の中のムードは “自分を見つめ直す”という 方向性である気がする。 そして自分を見つめれば 見つめるほどその不完全さに 嘆きたくなる。 完璧主義な人ほどそうだ。 そんな自分を作り上げた 他者との関係性。 これを一つ一つ掘り起こし 再び自分の中に落とし込む ようなストーリーだった。 パーソナルな内容な故 観客を置いていくような ところはあるものの、 アルモドバルファンとしては 過去作のリンクオマージュ なども随所に感じとれて とても良かった。 ( 特にトークトゥハー 好きな人は必見 ) 仲違いをした 友人 救えなかった 恋人 価値観の違う 母親 忘れていた 初恋の人… たんだんと幼少期の 核に迫るようなステップが 自然なリズムを生んでいて良い。 個人的にも最近はなんとなく 人間関係を見直していて、 人生を変えるキーとなった 人との出会いに改めて 感謝したくなった。 あと細かいところだと オープニングクレジットが 毎回本当に好き。 滲むように蠢くマーブル柄と ぱりっとしたゴシック書体の バランスが最高。 ポップなミッドセンチュリー インテリアも相変わらず、 見応えありました。