ド兄さんに感謝
ブルース・リーが唯一師匠と呼んだ詠春拳の達人イップ・マンを、『ローグ・ワン / スターウォーズ・ストーリー』のドニー・イェン主演で描いた10年に渡るシリーズ、堂々の完結篇。 妻を亡くし隠居生活を送っていたイップ・マン(ドニー・イェン)であ… 続きを読む
ブルース・リーが唯一師匠と呼んだ詠春拳の達人イップ・マンを、『ローグ・ワン / スターウォーズ・ストーリー』のドニー・イェン主演で描いた10年に渡るシリーズ、堂々の完結篇。 妻を亡くし隠居生活を送っていたイップ・マン(ドニー・イェン)であったが、自らの命も残り少ないことを知り、息子の海外留学のためにアメリカを視察する。現地で出会った中華総会会長ワン(ウー・ユエ)との対立、そして中国武術を蔑視する米軍教官コリン(クリス・コリンズ)や軍曹バートン(『ドクター・ストレンジ』のスコット・アドキンス)との命をかけた「最期の」戦いへと発展していく。 監督は、シリーズ全作品を成功へと導いたウィルソン・イップ。全シリーズで音楽を担当した日本人音楽家の川井憲次は同じ日本人としてとても誇らしい。アクション監督は、前作『イップ・マン 継承』に引き続き、『マトリックス』シリーズで武術振付を務めドニー・イェンの師匠でもあるユエン・ウーピン。 バートン軍曹は明らかに、一度見たら忘れられない『フルメタル・ジャケット』の鬼教官ハートマン軍曹をモチーフにしている…というか、「ハートマン軍曹」という名の登場人物も出てきているのでこれはもう確実であり、ここは監督の遊び心として純粋に楽しむべき部分だろう。 『少林サッカー』でのデビューが今でも記憶に残るチャン・クォックワンは、前作に続きブルース・リーをシリーズ初のアクション付きで好演。 中国武術vs空手の対立は、現在の中国から見たアメリカへの姿勢とアメリカの中に日本が組み込まれているという構図にも読み取れるあたり、日本人の観客としては非常に複雑な心境であった。 イップ・マンが患っているガンの影響が、肝心の戦いのシーンまで及ぶことがなく安心するとともにこれぞアクション映画だと感心。 細かいことは、映画一本分の鑑賞料金にも匹敵する、シリーズを総括した分厚いパンフレット(1,200円也)を読むべし。 ブルース・リー作品へのオマージュとして女性の裸が登場するシーンがあったそうだが、カットされたとのこと。見たかった。