最悪がいた。
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個人的に前作が最高すぎて期待のハードルを上げすぎていたのは否めないが、今作ははっきり言って期待外れだった。 冒頭からの30分程は楽しめたがキャラや組織等の設定の浅さや時代背景を活かした演出が少なく次第に熱が冷めていってしまった。 主演の松坂桃李含め豪華キャストも揃っており、そこも注目していたが前作以上のグロシーン等ありバタバタと新キャラが活躍する間も無く退場していく事も冷めた一因である。 私個人としては前作での、ただ暴力を衝突させるのではなく、当時のヤクザや警察の醜くいやらしい人間模様に翻弄されながらも対抗する大神や、その継承者となった日岡というキャラクターに惹かれ、舞台として選んだ広島の昭和感溢れる演出に心動かされただけに今作での平成バブルになり仁義などを重んじる昭和ヤクザから経済ヤクザとしてあり方を変えていく中で日岡と上林がどんな戦いをするのかと期待していた。 まずキャラの設定の浅さを感じたのは、今作の敵である上林が出所してから短期間で事をすすめ過ぎる展開に気持ちが追いつかない、あそこまで苛烈な行動を取れば内外からの粛清があるのは当然だがそういった描写はなく、前作での石橋蓮司演じる五十良の様な人としてのいやらしさがなく、只々破壊を続けその先に何があるのかを見い出せない事に不満が残る。 幼い頃の家庭環境から辛い過去を持ち人格が歪んでしまった事は理解できるが、終盤恩人である五十良の未亡人をあっさり殺害し「たいぎいんじゃ」と捨て台詞を吐く悪魔的な言動にいきすぎてただのシリアルキラーとしか思えなかった。 他豪華キャストによる新キャラたちもビジュアルは別として全体的に作品内での印象が薄く本当に必要なキャラだったのかと疑問に思えた。 吉田鋼太郎演じる仁正会会長のヘタレ具合には悪役としての凄みを感じられず、若頭役の宇梶剛士や二代目五十良会長の寺島進も組織幹部としての強さを見られずあっさりと退場していってしまった。 尾谷組の面々も組長代行の渋川清彦や斎藤工の物語への関与が少なく多少設定のあるモブとしか思えない、また組織として元組長を罠にかけた日岡への不満を持っている面は見られたが、物語の進行にそれ程影響がなかった事も残念な点の一つである。 ヒロイン役の西野七瀬も在日韓国人である設定を活かせず前作の阿部順子演じた桃子のような魅力や伏線の一つもない事に魅力を感じる事が出来なかった。 警察の面々も中村梅雀はじめ物語に必要ではあったものの、組織の汚さ等をもっと演じて欲しかったと思う。 唯一新キャラの村上虹郎演じる幸太の前半での雑魚キャラ感に好感を持てた点はプラスであった。 時代設定にしても前作の様な演出が少なく思え、冒頭のミラーボールがある店以外に平成初期を感じる要素が少なかった事も残念な点である。 重ねて風俗や倶楽部等夜の店でのシーン殆どなく、もっぱら上林の猟奇的な行動に尺を取られてしまい、平成当時の街の怪しさな危なさを大して感じる事なく物語が進んでしまった点も同じく残念と思えた。 猟奇的なシーンも前作と比べると圧倒的に多く、その多さに次第に慣れてしまいインパクトが薄れてしまった。 前作でのグロシーンは大きく分けて、冒頭の養豚場での一件、大神の水○体、中盤上早稲の生首、終盤五十良の生首とどれも印象深く覚えているが今作はただ眼球を抉る事を繰り返すだけでそこに至るプロセスに重みを感じられなかった。 劇中日岡が戦争を起こすと公務員にあるまじき発言をし行動するも行った事は新聞へのリークのみで、その後の展開もあっさり潜伏場所がバレてしまい署内にて軟禁されてしまう、何かそこから大逆転が始まるのかと期待したが特に考えがなかった様にも思え戦争ってそんなものなかとセリフに対して薄っぺらさを憶えてしまった。 終盤上林との決戦でのカーチェイスも派手ではあったが重みを感じず淡々と見てしまった。 最後に最終盤田舎に左遷された日岡が狼を探す途中でシーンが切れて終わった事も胸にモヤモヤが残り、正直苛つきを覚えている。 以上を踏まえての結論、私はグロいバイオレンス映画が見たいのではなく様々な陰謀の中泥に塗れようとも継承した正義を貫きヤクザや警察と戦う日岡が見たかったのである。 見る前は予告編で映った数シーンにビジュアル含め期待を膨らませていたが、これなら展開は地味な印象だが原作続編の狂犬の眼を実写化して欲しかった、今作がDVDリリースされても今のところ買おうとは思わない。 現在BASEで予約受付中のライターは購入する予定だ。 何度も書いているがビジュアル面は評価されるべきだと思う、出演した俳優たちの演技力は非常にクオリティの高いものであり、尚更残念な気持ちが残ってしまった。 もし三作目が制作されるのであれば、それに今作以上の期待を求める。