向井理、祖母の半生記を綴った自費出版作『何日君再来』映画完成に「感慨深いものがあります」

映画『いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~』完成披露舞台挨拶が18日、都内・スペースFS汐留にて行われ、尾野真千子、向井理、岸本加世子、成田偉心、脚本の山本むつみ、深川栄洋監督が登壇した。

何日君再来

原作は、向井理が大学生のときに、祖母の手記をパソコンで打ち直し、家族や親戚と共に自費出版をして、卒寿(90歳)をむかえた祖母へお祝いとしてプレゼントした「何日君再来」。衣食住もままならない戦後の混乱期、夫・吾郎(向井理の祖父)と妻・朋子が、時代の波に翻弄されながらも、日本人としての誇りを失わずに懸命に生きる、50年におよぶ愛の物語。現代の朋子が書き綴った手記を、孫の理が1冊の本にまとめていく過程で、過去を振り返っていく回想形式によって語られていく。

妻の芦村朋子役に尾野真千子、夫の吾郎役を向井理が演じる。監督を『神様のカルテ』などで知られる深川栄洋が務め、脚本には、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」や大河ドラマ「八重の桜」などで知られる山本むつみが担当する。

何日君再来

尾野に主演のオファーをもらった時の感想を伺うと、「私のところにオファーのお話が来たときは、向井さんの企画作品と聞いていたので、向井くんが私をオファーしてくれたと思っていました。だけど違ったんです!(笑)今日までずっと勘違いしていました(笑)」と吐露。向井が「僕はオファーしておりません!(笑)」と即答して観客を笑わせ、「原作は自分の祖母の実話ですが、僕はそれがいつか映画になれば、という気持ちだけだったので…」と謙遜していた。

本作を企画した向井は、この映画が完成して「まだ実感がわかないです。感慨深いものがあります。『ゲゲゲの女房』の時に脚本家の山本むつみさんにこの映画の企画を話したんですけど、今のタイミングで完成できてよかったです」と思いを語った。

向井とは2回目の共演となる岸本は「生半可な気持ちでできないなと思って、本当に感心しました。尾野さんが演じた朋子さんみたいに、来世では素敵なパートナーに出会いたいな」と語る。本作で本格的な俳優デビューを果たし、朋子の孫にあたる“理(おさむ)役”を演じた新人の成田は「多くの方に支えられて演じることができました。ワークショップに参加し、向井さんの芝居を見て勉強させていただきました!」と緊張ながらに語った。岸本は「向井理に見える」と新人俳優成田に太鼓判を押していた。

イベントでは、“家族の愛の物語”にちなみ自身の祖父母のエピソードを聞かれると、向井は「大学2年ぐらいの時に祖父について知りました。僕の家族は亡くなった人のことをあまり多く語らないので、この手記を読んだ時にとても客観的に読みました。自分の家族の話とは思えなかったです」と述懐。本作で尾野の娘役にあたる“真実”役を演じた岸本は「私の祖父は岸本菓子店という老舗のお菓子屋さんだったんですけど、その祖父も若くして亡くなり、祖母も大変な苦労をした話を聞きました」と懐かしみながらに自身の祖父を振り返った。

最後に尾野は「きっと泣けるんじゃないかなと思います。でも泣くばかりではなく最後にはほっこりできるとも思います。実話ですが、(普遍的な)家族愛を感じていただけると嬉しいです」と締めくくり、向井も「たまたま祖母の手記が僕の周りに残っていたのでこのような機会をいただきましたが、戦後はほとんどの方が苦労されてきたと思うので、みなさんの家族のお話でもあると思います。戦後を生き抜いた方のお話を、亡くなってから聞いておけばよかったと後悔するんですけど、今家族の絆が希薄化していると言われる世の中で、少しでも家族の会話の糸口になれば嬉しいです。この映画が胸を張って世の中に送り出せる子供の一人となったなと思います。僕の大好きな昭和の匂いのする映画です。何かを感じていただけると思います」と改めて自身の思いを語った。

映画『いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~』は6月24日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国公開

【CREDIT】
出演:尾野真千子、向井理
原作:「何日君再来」芦村朋子
監督:深川栄洋 脚本:山本むつみ
配給:ショウゲート

(C)2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会

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