不都合な真実
2012年、ノルウェー政府が公式に謝罪した、第二次世界大戦下に国家ぐるみで行った在ノルウェーユダヤ人のベルグ収容所連行およびアウシュビッツ刑務所への強制移送。 これは、ノルウェーのオスロに暮らしていたあるユダヤ人家族の悲劇であり、忘れてはな… 続きを読む
2012年、ノルウェー政府が公式に謝罪した、第二次世界大戦下に国家ぐるみで行った在ノルウェーユダヤ人のベルグ収容所連行およびアウシュビッツ刑務所への強制移送。 これは、ノルウェーのオスロに暮らしていたあるユダヤ人家族の悲劇であり、忘れてはならない歴史的愚行の物語である。 ノルウェーに亡命した後、幸せに暮らしていたブラウデ家だったが、ボクサーである次男のチャールズ(『コン・ティキ』のヤーコブ・オフテブロ)が非ユダヤ人のラグンヒル(クリスティン・クヤティン・ソープ)と結婚して3年後の1942年、戦況の悪化により事態は一変していく。 長女のへレーン(シルエ・ストルスティン)は早々とスウェーデンに亡命したが、イサク、チャールズ、ハリーの兄弟は家に残り、父ベンゼル(『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』のミカリス・コウトソグイアナキス)とともにベルグ収容所で過酷な労働を強いられることとなった。 本作は、マルテ・ミシュレによるノンフィクション小説を基にしており、ブラウデ一家やロッド秘密警察副本部長など実在する人物も多く描かれている。 無論、国内ではタブー視されるほど論争を呼ぶ事案なだけに、時代考証もかなり慎重に行われており、その甲斐あって多くの歴史学者、批評家から絶賛されるに至っている。 エイリーク・スヴェンソン監督は1983年生まれと比較的若い世代であるため、完全な当事者ではないながら、自国の黒歴史に向き合う真摯な姿勢とそれを許容したノルウェーの国民性には畏敬の念を抱かざるを得ない。