人生に無駄な経験は無い
starstarstarstarstar - 3年前
モリコーネの生涯を追うことは、そのまま映画音楽の歴史をなぞることでした。
名シーンの数々が大きなスクリーンに蘇る興奮!
映画マジックの裏側を知って、更に鳥肌が立ちました。
日本未公開映画のレアな映像も必見です!
モリコーネがトランペッター… 続きを読む
モリコーネの生涯を追うことは、そのまま映画音楽の歴史をなぞることでした。
名シーンの数々が大きなスクリーンに蘇る興奮!
映画マジックの裏側を知って、更に鳥肌が立ちました。
日本未公開映画のレアな映像も必見です!
モリコーネがトランペッターになっていたら、映画音楽の位置付けはずいぶん変わっていただろう。少なくとも音楽が映画に与える影響の重要性に気付くのが10年は遅れただろう。….いや。むしろモリコーネが映画音楽の進歩を早めたのか。
テーマを的確に捉えてそのシーンで観客が辿り着くべき感情をアシストする。
時には監督のプランよりも的確に。
アプローチも多種多様で、シーンの効果音まで担うような映像の動きとピッタリ合った音楽だったり、映像の印象とは真逆の音楽だったり。
例として出てくる映画のシーンがとてもわかりやすいので、ぜひ見ていただきたい!
モリコーネの映画音楽は、そのフレーズを聴くだけで映画のシーンがよみがえる。
なんなら、その1フレーズだけで映画全体の印象が鮮やかによみがえることすらある。
“印象深い” “印象に残る”ということは、観客がそこに何かしらの違和感や引っ掛かりを感じているからだと気づきました。
たとえば、とてもナチュラルにシーンに溶け込んでいる映画音楽は、観客の心理に影響を与えてはいるが強烈な印象としては残らない(←これも素晴らしい映画音楽と言えますが)
実験音楽やノイズミュージックを主戦場としていたモリコーネにとっては、違和感のバランスを取るのはお手のもの。
モリコーネにとって映画音楽は、自由に本領を発揮出来るジャンルだったということでしょうか?
だとしたら運命の出会いですが、むしろ自分がやりたい音楽を映画の世界に持ち込んだのかも??
映画のスタッフはみんな、監督の表現したいことを理解して理想に近づける為に最善を尽くす職人集団だと思っていましたが、モリコーネは表現者として監督ともセッションしていたのだと感じました。
実のところ映画製作の過程では、映画音楽に限らず様々なジャンルのプロフェッショナルが集まっていて、それらがみな要望に応える職人であり、要望を超えた自分の作品を作る表現者でもあるのだなぁ。
よく「映画は総合芸術だ」と言われるのが腑に落ちました。
モリコーネの驚くべき仕事の数々のなかでも一番の貢献は、映画音楽の作曲家のステータスを上げたこと。
映画音楽界で偉業を成し遂げ、後に交響曲でも評価されるまでになるのですが…
音楽に対する挫折やコンプレックスが、自分に与えられた映画音楽という仕事を価値あるものに変えようとする底知れぬパワーの原動力になったように感じます。
人生に無駄な体験など何一つない。
そんな風に思える素敵な映画でした。
☆4.0
starstarstarstarstar - 3年前
お恥ずかしながら
「モリコーネ知らないんですよね…」
「映画音楽もクラシックもよくわからないし、
名作映画の知識もないし…」
「2時間半も知らない人のドキュメンタリーを観てられるかな…」
という自分みたいな人ほど観に行った方が良い。
あっ… 続きを読む
お恥ずかしながら
「モリコーネ知らないんですよね…」
「映画音楽もクラシックもよくわからないし、
名作映画の知識もないし…」
「2時間半も知らない人のドキュメンタリーを観てられるかな…」
という自分みたいな人ほど観に行った方が良い。
あっこれ聞いた事ある!あれもモリコーネ?
これもモリコーネ?それもモリコーネ?
すごいなモリコーネ!(今更)
作曲中に歌も歌わなければピアノも弾かず、“頭の中に聞こえる”全楽器のパートをそのまま紙に書いていくとオーケストラが一曲出来上がり!
…ちょっと意味がわからない。
やべえなモリコーネ…(今更)
ただ、そんな彼を“天才”という陳腐な言葉で片付ける事は出来ない。生活の為に不本意に映画音楽に携わった事で罪悪感に苛まれ、イタリアクラシック界からは邪道だと長年認められず、確実視された賞は取れず、本人曰く“音痴”(実際、歌うと別の曲に聞こえる)。何十年にも渡る努力と実践と苦悩を部屋に積まれた書籍や楽譜の束のように何層も積み重ねた分厚い経験に裏打ちされた比類なき力の賜物なのだと本作は教えてくれる。
とても一言では表せない、映画音楽の黎明であり歴史そのものであるモリコーネの200年先まで残るであろうコンサートのシーンでは、音楽の人を動かす力を痺れるほど体感できる。
ぜひ映画館で。
《パンフレット》
モリコーネが楽曲を手がけた作品の一覧が載っているので、モリコーネに興味を持ってチェックしたい人におすすめ。
作中に出てくる音楽用語の説明もある。
音が体にしみわたる
starstarstarstarstar - 3年前
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
予想以上によかったです。
映画館の音響とスクリーンで集中して観る作品だと思いました。あの感覚を味わいにもう一度行こうかと迷うくらいです。
序盤の西部劇的なウエスタン調の時は、自分が馴染みがないこともあって入り込めませんでしたが、中盤以降はどんどんのめりこんでスクリーンを凝視してしまいました。
ニューシネマパラダイスあたりからはうるうるです。
モリコーネが旋律を口ずさむ姿がかわいくて、ピアノを弾く姿や指揮をする姿がかわいくて、そこでもうるうるしました。
彼と仕事をした様々な芸術家がインタビューに答えていますが、その誰もがモリコーネへの尊敬と愛にあふれていて、モリコーネの話をしているうちにテンションが上がって歌い出したりするのもジーンとしました。
映画好きな人、音が好きな人、ドキュメンタリーが好きな人に向いている作品です。
上映時間が長いので観るのにちょっと躊躇したのですが、最終的には長くてかえってお得に感じました。
星5つでは足りない!
starstarstarstarstar - 3年前
次から次へと、あの映画、あの時の自分はこうだった、なんて映画と自分の人生の接点が思い返された。
今更ながら、映画は物語、映像、役者と音楽でできていることを実感した。どの一つが欠けてもならない。
モリコーネはもう一人の映画監督だった。
平日の映画館は年配の男性がほとんど。やはり男の方がロマンチストだということか。
モリコーネの世界に浸る3時間
starstarstarstarstar - 3年前
初日に伺ったせいもあるのですが、観客はみな求めているものが多い方ばかりだったのだと思います…3時間あるのに寝ている方はおらず、メガネを外して涙を拭う方々は恐らく振り返って思い起こされるシーンがたくさんおありの方ばかりだったのではないでしょうか。
久しぶりにパンフレットを買いました、過去の作品を見直したい名作曲家のドキュメンタリーでした。