芸術への情熱
伝統としきたりでがちがちのオートクチュールの世界に嵐を巻き起こしたマックイーン。命を削りながら生み出す作品の数々がとにかく凄まじい。ロボット🤖のショーのところではついに感涙。 ブランドやデザイナーを知らずにその服を着たくないと常々思って… 続きを読む
伝統としきたりでがちがちのオートクチュールの世界に嵐を巻き起こしたマックイーン。命を削りながら生み出す作品の数々がとにかく凄まじい。ロボット🤖のショーのところではついに感涙。 ブランドやデザイナーを知らずにその服を着たくないと常々思っている。どういうデザイナーがどんなことを考えて作ったかを知ってから身につけたい。けれど、実際には、私のような庶民にとっては、手に取れる「服」という商品は、その生産過程があまりに分業化・産業化・商業化され、作り手の思いなどはるか彼方にかすかに存在したものに過ぎなくなっていて、なかなかダイレクトには届かない。けれど、この映画を見てマックイーンの思考に少し触れられた気がするのだ。 私にとってマックイーンはスニーカーとバッグがはじまりだった。シンプルだけどパンチが効いたハードなデザインのそれらには、大げさかもしれないが、女がありのままで強く誇らしく生きるていくことを応援してくれているようなパワフルさがあった。「可愛らしさ」や「可憐さ」など微塵もないデザインだ。むしろ、そういうハードなところが好きだった。事実、彼のハイランドレイプのショーは、女が虐げられ軽んじられて生きていくことに断固として異議を唱えるものだし、精神病棟のショーはやせ細ったモデルの美が本当の美なのかを世に問うものだったと思う。彼のように、信念を真正面から作品にぶつけていく生き様に、とにかく惹きつけられる。 だからこそ、オートクチュールだけじゃなく、プレタポルテやもっと庶民にも身近だったプーマとのコラボの経緯など、どんな信念で挑んでいたのか、もう少し知りたかったなと思う。 マックイーンにもっと生きてて欲しかった。もっともっと彼の作品が見たかった。