ゴッホの色彩
ゴッホがあの有名な肖像画そっくりで、映画の中の色彩もゴッホの絵画を再現。
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幼い頃から精神を病み、周囲とまともな人間関係が築けず、常に孤独な人生を送ってきたゴッホ。1888年、南仏アルルに移り住んだ彼は、唯一才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活をスタートさせる。しかし、ゴッホが衝撃的な事件を引き起こしてしまい……
ゴッホがあの有名な肖像画そっくりで、映画の中の色彩もゴッホの絵画を再現。
死後にその評価が高まった不遇の天才画家フィンセント・ファン・ゴッホの壮絶な後半生を描く。 また、本作では彼の死についても一つの解釈を示している。 芸術家協会の設立など窮屈なパリでの生活に難儀していたゴッホは、後の友人となるゴーギャンの助言を受け、南仏アルルに移り住む。最愛の弟テオからの仕送りでなんとか生活したいたが、アルコール依存に加え、孤独な生活から徐々に精神的な異常をきたし、アルルの住民からも忌み嫌われるようになった。遅れて移住したゴーギャンからも、あることがきっかけで見放されることになってしまった。 (ここまでに描かれる序盤は正直退屈。) 監督は、『潜水服は蝶の夢を見る』の元画家ジュリアン・シュナーベル。主演は、名バイプレイヤー俳優ウィレム・デフォー。共演に、『エクスマキナ』のオスカー・アイザック、『偽りなき者』のマッツ・ミケルセン、『スターリンの葬送狂騒曲』のルパート・フレンドなど。 ストーリーは確かに進んでいるのだが、一定の地点から動いていないような、感覚的で哲学的、宗教的とも言える作風に終始考えさせられる。 2016年にアルルで発見された帳簿のデッサンから着想を得たのだろうか、ゴッホが置かれた状況を思うに、実際に存在する帳簿など以外の言動や見たものは全てが曖昧に描かれていた。 ブレブレどころか酔うほどの手持ちカメラによる撮影が、ゴッホの精神的な脆さや不安定な状況を語り出す。画家でもある撮影監督のブノワ・ドゥローム、まさに芸術的。 主演のウィレム・デフォーは今作でのゴッホの生き写しのような演技が高く評価され、米アカデミー主演男優賞にノミネート、ヴェネチア国際映画祭では男優賞を獲得した。 37歳で亡くなったゴッホを63歳のウィレム・デフォーが演じたのは非常に興味深い。
ゴッホを題材とした映画やドキュメンタリー作品は多い。 最近では全編絵画で描かれた『ゴッホ最後の手紙』は 画期的で、面白かった。 謎の多いフィンセントの死については 長年、自分で腹部を撃った銃創が元で亡くなったと 信じていたので、今回描かれた彼の最期は意外だった。 けれど、謎に包まれていた死因については今作が事実なのだろう。 ずっと不遇だったフィンセント。 生前はただの1枚しか絵が売れなかったのは有名な話しだが 最後まで彼を支え、愛してくれた弟がいてくれた事。 終の住処となったオーヴェルでは友人にも恵まれて きっと幸せだったと信じたい。 自分とは正反対で明るく自信に満ちたゴーギャンに 憧れと友情を抱きながらも、フィンセントの強すぎる感情やひたむきさはゴーギャンには疎ましかったのかもしれない。 自分の感情や情熱に素直に向き合う事しか生きる術を知らなかったフィンセント。 彼自身が作品の中で 「自分の絵は今の時代には合っていない。 未来の人々の為に神は僕を画家にした」と精神病院で 退院の為の面接で牧師に語る。 今ごろは天国で「ほらね」と笑っているかも知れない。 アルルの風景はまさにフィンセントが描きたかった 太陽と風で満たされた地。 フィンセントが歩く麦畑ではそよぐ風が穂を揺らし 見上げると陽が顔を照らし、イトスギの間を風が吹き抜ける。 生き急ぐように驚異的なスピードで描いた。 画面に溢れる風が心地良い。 ゴッホの絵には常に風が吹いているかのよう。 オーヴェルの自然の中で友人の医師と笑い合うフィンセント。 初めて心から笑えたのに… 生きている間に評価される事のなかった過酷な人生だからこそ 短く、はかない人生だったのか。 ウィレム・デフォーのゴッホ。 37歳を演じるには歳を取り過ぎたと思ったけど 自画像のゴッホそのもので驚愕です。 63歳のデフォーがまるでゴッホに乗り移ったかのように 描き、演じる。 死の真相を そうしてくれて良かった。 爽やかに劇場を後にした。
ゴッホの世界を感じることができた。途中で寝ちゃいました。悔しい。
映像から伝わるゴッホの視界がガツンと伝わり、ウィレム・デフォーの演技が素晴らしい