奇跡的なキャスティング!
※本文にネタバレがあります ネタバレを読む
西川美和監督の作品は絶対に観ると決めていますが、戦争孤児の話なので重めの内容かなと少し躊躇する気持ち(自分のコンディションがいい日に観ようかなとか)がありましたが、思い切って初日に観に行ってよかったです。想像していたよりずっと爽快な気持ちで劇場をあとにしました。 ほとんどの場面を子役たちの演技で占めているのですが、主人公はもちろん、その仲間となる子どもたちも誰ひとり欠かせない存在感、魅力に溢れていました。キャスティングの妙と言うだけでは説明しきれない、こんな奇跡的なことがあるのかなと感動しました。これが原作・脚本・監督を同じ人が担うことの意義なのでしょうか?そう考えると、要所要所でキーマンとなる大人の俳優の方々も、そんなに出番が多くないぶん、瞬時にこの人ならきっと大丈夫だとわたしたちに思わせてくれる、信頼を内面化したような説得力のあるキャスティングでした。特に田中裕子さんが出てきた時の安心感たるや(笑)。 戦後の無秩序で無責任な世の中を懸命に生き抜こうとする子どもたち。主人公が仲間と共にあるために女の子であることを隠すことで生まれる葛藤や戸惑い、まだ声変わりもしていない男の子たちがいっぱしの大人のように振る舞い、生きるために気丈に振る舞う姿は、本当にあの時代を生きた子どもたちなんだと思わせてくれる圧倒的な存在感でした。また、西川監督の美しい映像や、主人公が音楽にルーツを持つことからピアノの素敵な場面がいくつかあるのですが、そういう要素にも救われて、こちら側が必ずしも辛いものを観させられているだけではないという感覚を持てたのかなと思いました。 原作はこれから読むのですが、読んだらまた観たくなると思うので、そういう点でも早めに観れてよかったです。