無題
starstarstarstarstar - 9年前
‥やられました。帰り道、わたしもさよならを乗り越えて、こうやって生きればいいのかなって。こうやって人は生きていくんだなって、心の根本的な部分に見事に落ちてきてくれた作品。キャッチコピーは「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛し… 続きを読む
‥やられました。帰り道、わたしもさよならを乗り越えて、こうやって生きればいいのかなって。こうやって人は生きていくんだなって、心の根本的な部分に見事に落ちてきてくれた作品。キャッチコピーは「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた」ですが、“愛しはじめる”までの過程が、こうだとは(良い意味で)想像もつかず。
主人公と子どもたちの生活はあまりにも唐突に始まり、自らへの免罪のためなのか何なのか心情がわからなかったけど不自然さはなかった。ずっと観ていたいくらいやさしさに溢れかえっていたから。
なんで、回想シーンがないのに、かつての家族像・夫婦像があれほどリアルに伝わってくるんだろう。なんで、ひとひねり間違えればあざとくなりそうなシーンがただただ美しいんでしょう。きっと監督は人間、とくに自分をダメなやつだと認めている人間をきっちり描こうと意識したんでしょうね。だから観ている自分まで救われたような気分になったんだと思う。
結婚や家庭というものって、どちらも持っていないわたしからすると、それを成し得ているだけでマトモやん‥って思っていじけてしまうことも日常多々あるんですが、どちらも表面的な単なる言葉でもあるんですね。その中身は様々。
泣けなかった冷静な男と、すぐ泣く激情型の男のコントラストも、子役たちのセンシティブな演技も、あれもこれもと、好きな要素やシーンがいっぱい。泣いたし、笑った。生き方のひとつを教えてもらった気がする。
あと、これは個人的に少し疑問を抱いた点なんですが、グダグダに酔ってタクシーに乗り込むシーンで主人公は懺悔した。奥さんが亡くなった日に自分はほかの女性を抱いていたと。これ、女を抱いていたことより、距離ができ荒んだ夫婦関係を築いてしまったことに対してのほうが圧倒的に罪深かったと思うんです。一方的な理由ではないし“罪”ではないけれど。これは男性と女性の見解の違いでしょうか。
奥さんから奇跡的に最後に届いたメールは、幸夫を解放してあげるためのもの。家を出るときに発した台詞とともに、自分の行く末を何となく示唆していたんでしょうか。
こういうの含めて誰かと語りたい気持ちでいっぱい。と言っても語ってるうちに泣くんですが 笑。
良かった
starstarstarstarstar - 9年前
本木雅弘の演技が光ってた。
子供たちもすごい。とても自然な演技だった。
邦画が今年で好きになった。
"人間"を観る。
starstarstarstarstar - 9年前
"人間"を観る。
突然妻を失う作家の男。しかし悲しみは湧いてこない。
幼い子供二人と共に遺されたトラック運転手の男。妻を失った悲しみに明け暮れる。
二人の出会いから、遺された者の人生が形作られてゆく。
断たれた人間関係から新たな関係が生… 続きを読む
"人間"を観る。
突然妻を失う作家の男。しかし悲しみは湧いてこない。
幼い子供二人と共に遺されたトラック運転手の男。妻を失った悲しみに明け暮れる。
二人の出会いから、遺された者の人生が形作られてゆく。
断たれた人間関係から新たな関係が生まれる面白さ。不器用な人たちの表出できない感情、表出してしまう感情が人間臭いキャラを産み出している。西川美和監督ならではの描き方に本木雅弘を始めとする役者がノッてきた結果が表れている。
一年もの長期撮影の甲斐あって巡る季節に"人間"が描き出されている。
傍キャスト、池松壮亮、黒木華らも印象深い演技を残している。
そして子役の兄妹がそれぞれとても良い。映画の中の映像になるまで何テイクも重ねたのだろうが、観客の心を持って行くには十分な存在となっている。
フィルムカメラによる温かな画。生活感溢れる音の数々。監督による映画作りの工夫をあちこちに感じられ好感が持てる。
「永い」とくれば「お別れ」だろうに
starstarstarstarstar - 3ヶ月前
チャンドラーの名作は「長い」であり、「永い」ではない。本木雅弘の奮闘の光る映画ではあるが、はっきり言うと、誰に対する「言い訳」なのか?がピンと来ない。亡くなった妻ではないようだけど、出版したのだから、世間様に対して「言い訳」なのか?それもど… 続きを読む
チャンドラーの名作は「長い」であり、「永い」ではない。本木雅弘の奮闘の光る映画ではあるが、はっきり言うと、誰に対する「言い訳」なのか?がピンと来ない。亡くなった妻ではないようだけど、出版したのだから、世間様に対して「言い訳」なのか?それもどうやら背中がくすぐったい。最初だけ出て来てあとは、存在さえあやしい若い恋人でもない。
強いて言えば自分の行動と心に言い訳しているのか?
そんなモノに言い訳してたら。吉川英治と宮本武蔵に怒られそうだ。でもそういう事みたいだな。
「永い時間のかかった死せる妻に対する懺悔について」みたいな長〜いタイトルだったら、しっくりきたかもしれない。
もう愛してなくても愛させて
starstarstarstarstar - 9年前
妻が死んだ。
これっぽっちも泣けなかった。
そこから愛しはじめた。
この映画のコピーだ
妻は死んだ。
これっぽっちも泣いていなかった。
いつから愛しはじめた?
観ている途中、私はそう思った
いやいやそうじゃない
死んだと知ったときから… 続きを読む
妻が死んだ。
これっぽっちも泣けなかった。
そこから愛しはじめた。
この映画のコピーだ
妻は死んだ。
これっぽっちも泣いていなかった。
いつから愛しはじめた?
観ている途中、私はそう思った
いやいやそうじゃない
死んだと知ったときから
幸夫は亡き妻を愛しはじめていたんだ
幸夫の妻は頭が良い人だったに違いない
だから
本当に全部分かっていたのかもしれない
幸夫が永い言い訳をすることを
この映画は不思議と
クスッと笑える
人が亡くなっているのに
そんなに悲しくなかった
観終わったあと
私はそれはそれは淋しかった
どうして生きているときに
もっと愛さなかったのか
もっと愛したいのに
何故もう死んでいるのか
そんな気持ちでいっぱいだった
私の大切なひとが亡くなったとき
愛することに
遅いことがあっちゃいけないんだ
と気がついた
けれど
愛するということはいつからでも遅くない
永い言い訳を観て
私はそんな風に感じた
だが
これは幸夫の妻に対する
永い言い訳なのかもしれない